サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー今年99歳の瀬戸内寂聴、転んで頭打っても復活! 「婦人公論」で説く“幸運論”は重みが違う? カルチャー [女性誌速攻レビュー]「婦人公論」2021年1月26日号 今年99歳の瀬戸内寂聴、転んで頭打っても復活! 「婦人公論」で説く“幸運論”は重みが違う? 2021/01/16 16:00 島本有紀子(ライター) 女性誌レビュー婦人公論 どうでもよい江原啓之の自炊自慢 続いては江原啓之のインタビュー「視野を広く、竹のようにしなやかに」。江原さんは昨年、拠点を東京から熱海に完全に移したそう。熱海の自宅、その名も「スピリチュアル・ヒーリング・サンクチュアリ昌清庵」で取材に応じています。 「私は昨年の新春講演会で、20年を示すキーワードとして『破綻と崩壊』を挙げました。残念ながらそれは現実となり(以下略)」と、“コロナを予知していたアピール”にも余念がない江原さんですが、「新型コロナウイルス感染拡大の時期と私の完全移転が重なったことで『東京脱出』と言われましたが、移転はコロナ禍前に決まっていました」と、どこか言い訳がましく語っているのも気になります。 「江原啓之、東京脱出」。そのようなどうでもよいニュース、少なくとも個人的には見聞きした覚えがないので、一部アンチが言っていたのでしょうか。「江原さんてエゴサーチとかしているのかも」との疑念も浮かびました。 そしてインタビュー内で最も興味深いのは、移転先に熱海を選んだ理由について語った部分でした。 候補地を探しているある日、「『熱海』『熱海』という文字がお告げのように私の頭に浮かんだ」という江原さん。さっそく熱海に向かい、「『こっちかな』という感じでタクシーを走らせ、『あ、ここだな』と思った場所にたどり着きました」といい、それが今の昌清庵のある場所だそう。「説明するのは難しいですが、『熱海』というメッセージは霊界の導きだったのだと思います」と、まとめています。霊界のお導き、か……。読者の参考にはならなさそうです。 また写真を見る限り、相変わらず福福しい外見の江原さんですが、最近は「食品添加物を避けたり、無農薬栽培の野菜を選んだりしている」とのこと。自作の野菜を使った料理にもハマっており、大根は葉まで使い切るそうです。 そんな江原さんは自炊している自分に誇りを感じているようで、「料理のできない人は、人生の悩みを自らの力で乗り越えることが苦手な傾向にあります」という、余計な一言も添えています。 引っ越し先を「霊界のお導き」で決められる人に、「人生の悩みを自らの力で乗り越える」ことのしんどさは、果たして理解できているのか? 野菜中心の自炊でもエビス様体形を維持できる体質って? ……と、江原さんへの疑問が深まるインタビューでした。 江原啓之を超えていく読者 「幸運は、あなたのすぐそばにある」と説く今号ですが、公募の読者体験記のテーマは「不運に愛されて」。紹介されている二つの投稿は、これまでの人生を恐るべき記憶力で振り返り、体験した不運をこれでもかと並べています。中でも「ゲリラ豪雨にピンポイントで狙い撃ち」されたというエピソードが、むしろ強運でないと遭遇できない出来事では? この読者のほうが、霊界のお導きで生きる江原さんよりも、何らかの特別な力を持っているのではと感じました。 前のページ12 島本有紀子(ライター) 女性ファッション誌ウォッチャー。ファッションページから読み物ページまでチェックし、その女性誌の特性や読者像を想像するのが趣味。サイゾーウーマンでは、「ar」(主婦と生活社)と「Domani」(小学館)レビューを担当していた。 記事一覧 最終更新:2021/01/16 16:00 セブンネット 婦人公論 (定期購読) 寂聴先生、死なない気がする 関連記事 老後問題とセックスが絶妙に絡み合う「婦人公論」は中高年の“パンドラの箱”「婦人公論」の「体の不調」特集で暴れる、冨士眞奈美・吉行和子・仲代達矢ら“あっけらかん”としたアラ80IKKO、坂井より子、小池栄子……「婦人公論」の片づけ特集に集う「自分が絶対」の猛者たち「婦人公論」で始まった鈴木保奈美のエッセー、80年代引きずりまくりの文体の時代錯誤感桃井かおりのカッコイイ女芸と松岡修造のタレント根性でおなかいっぱいになる、「婦人公論」の加齢特集 次の記事 『家事ヤロウ!!!』【明太バター餅】作ってみた! >