サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー今年99歳の瀬戸内寂聴、転んで頭打っても復活! 「婦人公論」で説く“幸運論”は重みが違う? カルチャー [女性誌速攻レビュー]「婦人公論」2021年1月26日号 今年99歳の瀬戸内寂聴、転んで頭打っても復活! 「婦人公論」で説く“幸運論”は重みが違う? 2021/01/16 16:00 島本有紀子(ライター) 女性誌レビュー婦人公論 「婦人公論」2021年1月26日号(中央公論新社) 今月からレビューしていくのは、主に40代以上の女性をターゲットとする隔週女性誌「婦人公論」(中央公論社)です。三大ミューズ(?)が美輪明宏、江原啓之、瀬戸内寂聴といったイメージの同誌ですが、今号には江原と寂聴のインタビューが。なんとも華々しい新年号です。 特集は「幸運は、あなたのすぐそばにある」。特集内には、禅の一種であるらしい「ゼンタングル(R)」の認定講師を名乗る佐藤心美先生による「描けば心が安らぐ華やかな曼荼羅」の誌面講座があったり、「琉球風水志」を名乗るシウマ先生による提案「“ラッキーナンバー”でいい運気を引き寄せる」があったりと、スピリチュアルな雰囲気も漂います。 新型コロナウイルスの流行が収まらない中、2021年一発目の「婦人公論」は「幸運」という漠然としたテーマでどんなメッセージを伝えてくれるのか……? さっそく中身を見ていきましょう。 <トピックス> ◎瀬戸内寂聴 今に目を向ければ幸せへの入り口は見つかります ◎江原啓之 視野を広く、竹のようにしなやかに ◎読者体験手記 不運に愛されて 寂聴先生、不死鳥エピソード更新 最初に見ていくのは、今年で99歳になられる瀬戸内寂聴先生のインタビュー「今に目を向ければ幸せへの入り口は見つかります」。なんと寂聴先生、昨年10月に寂聴庵で転倒して頭を打ち、検査入院したと告白しています。なんでも転倒したのは夜中で、朝に秘書が出勤してやっと発見されたそうですが、大事には至らず甦ったという寂聴先生。「元気になりました」「私は今、とても幸せですよ」「退院後も時々、仕事で徹夜をしています」と語る様子は、まるで不死鳥。 これまでも胆のうがん、頚椎圧迫骨折などから華麗に復活を遂げてきた寂聴先生は、確かに強運の持ち主。気になるのはその秘訣ですが、インタビューで語っているのは、「今持っているものに目を向けると、それが幸運につながる」「不幸だと思ったできごとが、実は思いがけない幸福への入り口になることだってある」といった、誰でもどこかで聞いたことがあるであろう一般論的な内容でした。 しかし、その“一般論”も寂聴先生が語ることで重みが加わるような気もしてきます。「何を言うか」よりも、「誰が言うか」を重視してしまう現代を、寂聴先生からも垣間見た気がします。 次のページ どうでもよい江原啓之の自炊自慢 12次のページ セブンネット 婦人公論 (定期購読) 関連記事 老後問題とセックスが絶妙に絡み合う「婦人公論」は中高年の“パンドラの箱”「婦人公論」の「体の不調」特集で暴れる、冨士眞奈美・吉行和子・仲代達矢ら“あっけらかん”としたアラ80IKKO、坂井より子、小池栄子……「婦人公論」の片づけ特集に集う「自分が絶対」の猛者たち「婦人公論」で始まった鈴木保奈美のエッセー、80年代引きずりまくりの文体の時代錯誤感桃井かおりのカッコイイ女芸と松岡修造のタレント根性でおなかいっぱいになる、「婦人公論」の加齢特集