【連載】傍聴席から眺める“人生ドラマ”

家族のケンカが裁判に発展! 法廷で「茶番」を主張した46歳の息子、「こうやって懲役に行かされる」実例

2020/12/15 21:00
オカヂマカオリ(ライター)

父親への恨みがにじみ出る“問題児”の捨て台詞

(C)オカヂマカオリ

 ついに途中退廷を言い渡された被告は、警備員に押さえつけられながら、傍聴席に向けて「こうやって(はめられて?)懲役に行かされると、国民のみなさんわかってくださいね!」と、よくわからない捨て台詞を吐いて去っていきました。開廷10分ほどという短さでしたが、N男の話を聞いていると、不動産物件を多数所有する裕福な父親への恨みを感じます。いずれ相続問題が発生したら、もっとややこしい事態になるでしょうね。

 実刑になったとしても微罪なので刑期は短く、この“問題児”は早々にシャバに戻ってくると思われます。こういうボーダーラインギリギリの犯罪に困っている人は案外多いと思うのですが、どうしたらいいんでしょう……? トラブルが起こると「警察を呼ぶ」ことがある種の切り札になっていますが、結局は一時的に隔離されるだけで、被害者側が策を講じなければ、全ては元の木阿弥なんですよね。茶番劇(被告談)を見せられながら、「自分が被告の親族だったらどう対処するか?」と真剣に考えてしまった一件でした。

オカヂマカオリ(ライター)

オカヂマカオリ(ライター)

絵も描くライター。傍聴デビューは結婚詐欺師のクヒオ大佐。興味を持った方は古書店で『裁判トリセツ』(インフォバーン刊)を探してみてください。

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最終更新:2020/12/15 21:00
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