サイゾーウーマンコラム不倫の末ストーカーになったオンナ コラム 【連載】傍聴席から眺める“人生ドラマ” “トリプル不倫”に巻き込まれ、ストーカーになった59歳のオンナ――「都会的モテ男」が法廷で見せたウラの顔 2020/08/05 17:22 オカヂマカオリ(ライター) コラム傍聴席から眺める“人生ドラマ” 殺人、暴行、わいせつ、薬物、窃盗……毎日毎日、事件がセンセーショナルに報じられる中、大きな話題になるわけでもなく、犯した罪をひっそりと裁かれていく人たちがいます。彼らは一体、どうして罪を犯してしまったのか。これからの生活で、どうやって罪を償っていくのか。傍聴席に座り、静かに(時に荒々しく)語られる被告の言葉に耳を傾けると、“人生”という名のドラマが見えてきます――。 「東京高等地方簡易裁判所合同庁舎」Wikipediaより 【#010号法廷】 罪状:ストーカー 被告人:R子(59歳) <事件の概要> 家庭を持ち、仕事は教育関係――はたから見れば“堅実な人生”を送っていた被告・R子は、2017年2月ごろ、スポーツジムで知り合った男性A氏(49歳)と不倫関係に。しかし、A氏はその前から、部下の女性・B美(41歳、当時は既婚)とも不倫関係にあり、R子は二股をかけられていた。そんな中、A氏は17年3月に“第3の女性”と結婚。R子・B美との関係も継続しており、“トリプル不倫”となる。 B美との関係が彼女の夫に発覚し、A氏は慰謝料を請求される。A氏は妻の束縛がキツいことをR子に相談しており、2人は親密な交際を続けていた。しかし、R子との関係がA氏の妻にバレてしまい、A氏は別れを切り出す。R子は「納得できない」と別れに応じないどころか、A氏とB美の職場に、不倫を暴露したハガキなど13通の文書を送りつけ、嫌がらせ行為におよんだため逮捕。 ……ざっくりまとめると、「愛人と別れるのに失敗した男が、痛い目に遭って警察に駆け込んだ」という事案です。法廷では、R子が逮捕に至った経緯が時系列で説明されましたので、下記にて整理してみます。 16年9月 A氏(上司)とB美(部下、当時は既婚)が不倫関係に。 17年2月 R子(被告)とA氏が不倫関係に。B美もR子の存在を認識。「子どももいるのに、そんなこと(不倫)する女は許せない」と、R子。 3月 A氏、第3の女性と結婚。「束縛がキツく、携帯電話をチェックされる」とR子に相談。R子名義で携帯電話を契約し、A氏にわたす。 18年2月 B美との関係が彼女の夫に発覚。A氏は慰謝料を請求され、R子に相談。 3~4月 R子との関係がA氏の妻に発覚。 5月 B美が離婚。A氏、カフェでR子に別れを切り出す。R子は「納得できない!」と、周囲に聞こえるほどの大声で拒否。A氏はR子から「会社に(B子との関係を)バラす」と言われ、怖くなって逃げる。 6月 A氏・B美の会社に告発電話があり、B美はR子とはじめて対面することに。A氏はB美と会わないようR子を説得するも、失敗。A氏、大阪に左遷の内示が出る。 7月 匿名でA氏の会社にハガキが4通届く。その中には、A氏が女性用下着をつけている画像つきのものも。 19年4月 匿名でA氏の会社に封書が届く。「A氏は女から携帯電話と銀行口座の名義借りをしている。これは違法行為」との内容。A氏は警察に被害届を出す。R子逮捕。 実はこの裁判、第1回公判の罪状認否で、被告・R子が「やっていません」と徹底抗戦の姿勢を見せ、非常に興味をそそられたため、第2回公判も傍聴しました。見せ場はなんと言っても、第2回公判で行われた、被害者A氏・B美の証人質問です。 次のページ 不倫相手を「ペットみたいに思ってた」“ナヨナヨ男”の証言 12次のページ 楽天 黄昏流星群プラチナ・エディション 星に祈りを 関連記事 “神待ち”で出会った15歳の少女を「引き取って育てる」――孤独な青年が起こした「未成年者誘拐」事件宗教団体の内部で起きた「窃盗未遂」事件――“手かざし”では救えなかった、50代女性の深い闇認知症の女性から1900万円奪った訪問介護員――「家族に相談できない」一人で抱えた悩みとは自宅を燃やした弟は、ADHDだった――「もっと早くわかっていれば」兄が法廷で語った後悔アラサー独女、5つの罪で逮捕――裁判で明らかになった「移住した離島の特殊な環境」とは