「元極妻」芳子姐さんのつぶやき87

山口組“再分裂”で「元さや」は絶望的? 元極妻が語る「神戸山口組」の5年、やくざの「プライドと金」

2020/08/30 16:00
待田芳子(作家)

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

分裂の原因は「プライドとカネ」?

 今年は、コロナ禍と長梅雨のせいで、夏を満喫できないまま秋になっちゃって、寂しいですね。

 8月末に分裂から5年を迎える六代目山口組と神戸山口組も「特定抗争指定暴力団」指定は受けたままですが、静かな状態が続いていて、秋の寂しさをより感じるのは……私だけですかね。

 報道などによると、5年前の8月27日未明、当時の六代目山口組の直参だった約10人が神戸市内に集まり、ひそかに「神戸山口組」を結成して盃を交わしたそうです。この年は山口組が設立100周年を迎えた年でもあって、まるで映画のようです。

 神戸山口組のトップに就いたのは四代目山健組の井上邦雄組長で、当時は六代目山口組の若頭補佐という要職にありました。山健組は、約1万人といわれていた六代目山口組の中で約2,000人を占めており、最も大きい二次団体でした。ちなみに六代目山口組・司忍組長の出身母体である弘道会は当時約1,000人です。


 5年前の8月末に井上組長から盃を受けたのは、二代目宅見組の入江禎組長、侠友会の寺岡修会長など12人で、入江組長は舎弟頭、寺岡会長は舎弟でした。神戸山口組では、入江組長は副組長、寺岡会長は若頭に就いています。

 もちろん六代目山口組側は激怒、離脱者13人を特定すると、井上組長ら主要メンバー5人を絶縁処分(永久追放)、残る8人は破門処分(復帰の可能性もアリ)としたことを公表しています。

 分裂の原因は、もちろんお金もあるでしょうが、まずはプライド的なところだともいわれています。

 インターネット上には、分裂当時、神戸山口組が友好団体などに配布した「御挨拶」の内容が公開されています。それによると、司忍六代目組長について「利己主義甚だしく 歴代親分 特に三代目親分の意を冒涜する行為多々あり」と非難しています。また、山口組の七代目、八代目の「候補者」に弘道会関係者の名前が出ていたこともあり、弘道会への不満が強かったことは明らかです。それとともに、高い「会費」やミネラルウォーター、トイレットペーパー、ラーメンなどの共同購入を強要されたことも理由として挙げられていましたね。