“大麻好きなおじさん”

スヌープ・ドッグ、大統領選が「人生初の投票になる」! 政治的発言が多かったのに「投票しなかった」ワケとは……

2020/06/08 17:22
堀川樹里(ライター)
投票してなかったんかい! という衝撃

 1990年代初頭から西海岸のギャングスタ・ラッパーとして絶大なる人気を博し、その後、俳優、ポルノ映画監督、リアリティ番組スター、実業家、レゲエ・アーティストとさまざまな分野で成功を収めてきたスヌープ・ドッグ。カリスマ主婦マーサ・スチュワートの“マブダチ”で、彼女の料理番組にゲスト出演したり、バーガーキングなどの米国民になじみのある広告に起用されてきたことから、お茶の間の人気も高い。また、セレブきっての大麻愛好家で、若者からは“大麻好きなおじさん”として認知されている。

 世間に強い影響力を持つスヌープは政治的発言も多く、2008年の大統領選前にはオバマ前大統領を支持しつつも、共和党の予備選挙に出馬していた「大麻の取り締まりに反対」するロン・ポールをFacebookで宣伝。

 12年の大統領選前には、インスタグラム・ストーリーに「オバマに投票して、(敵対する共和党の)ロムニーに投票しない理由」というテーマで、ミット・ロムニーのことを「ホワイト・ニガー」「マザーフ●ッカー」「ビッチ」とののしり、オバマを「最高にクール」「嫁のケツがデカいのもイケてる」などと絶賛したことも話題に。

 16年の大統領選前には、ゲスト出演した深夜トーク番組で民主党ヒラリー・クリントン候補の支持を表明し、「女性大統領を見たい」「男性の思考パターン以外の見通しが必要な段階に来ている」と発言。多くの人が「スヌープは毎回、候補者について勉強し、真剣に考え、投票をしている」と思っていた。

 そんなスヌープが、先週ゲスト出演したラジオ番組で、「実は、これまで投票したことがない」と告白。「2020年の大統領選で生まれて初めて投票する」と宣言したのだ。


 現地時間6月4日、ロサンゼルスのラジオ局「REAL 92.3」の『Big Boy’s Neighborhood』という番組に出演したスヌープ。トランプ大統領への思いと、11月に行われる大統領選について聞かれ、「生まれてこの方、投票したことがない。でも、今年は投票に行こうと思う。あの野郎が1年でも長く大統領でいることに耐えられないからだ」と回答。「(自分は)犯罪歴があるから投票できないって、長年思い込んできたんだ」と悔しそうに語った。

 アメリカでは重罪犯の選挙権剥奪をする州が多い。スヌープは90年に売却目的でコカインを所持していたところを逮捕され、有罪判決を受けている。07年には、前年に空港で大麻と銃器を所持していたと逮捕された件で不抗争の答弁をし、“懲役3年、執行猶予5年、800時間の社会奉仕活動”が科せられた。

 重罪犯の選挙権剥奪は非常に厳しい処分だが、州によっては条件をクリアするとエクスパンジメント(前科抹消手続き)できることもある。

 スヌープは、今回のラジオで、「エクスパンジドされてたことを知らなかったんだよ。投票できるんだ」と発言。おそらく弁護士が申請手続きをし、無事通っていたことを最近になって知ったのだろう。ネット上では「選挙行っているのかと思っていた」「あれだけ熱くオバマに投票すると語っていたのに、投票してなかったんだ」など落胆する声、「重罪犯は選挙権を剥奪されるなんて初めて知った」「たくさん納税しているだけに、投票できずに悔しかっただろう」などと同情する声が上がり、大きな話題となっている。

スヌープ・ドッグ ロード・トゥ・ライオン