サイゾーウーマンコラム神林広恵「女性週刊誌ぶった斬り」コロナ問題で政権批判もする「女性自身」 コラム “噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第498回】 新型コロナウイルス問題、安倍政権批判にまで果敢に切り込む「女性自身」 2020/03/10 21:00 神林広恵(ライター) 女性週刊誌ぶった斬り! 「女性自身」3月24・31日合併号(光文社) 下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る! 世の中、新型コロナウイルス一色。ワイドショーも女性週刊誌も芸能ネタなんてほとんどない。スキャンダルは庶民の娯楽という言葉がよぎる。娯楽がない(その余地さえない)世の中。なんてことだ。 第498回(3/5〜3/10発売号より) 1位「新型コロナ陽性判定が大量隠蔽されている!」(「女性自身」3月24・31日合併号) 2位「貴城けい 不倫夫喜多村緑郎『連日の号泣謝罪』に『責任は彼女にも…』復縁への変心!」(「女性自身」3月24・31日合併号) 3位「安倍昭恵夫人 『蔵王スキー旅行計画』に首相夫が『やめて!』懇願」(「女性自身」3月24・31日合併号) ということで女性週刊誌も揃って新型コロナについて大きな紙面を割いている。小中高休校の余波、コロナ感染差別、進まぬ感染検査、さらには行っていい場所、ダメな場所といった実用記事――。大した芸能記事がないのは致し方ない。中でも、この問題に果敢に切り込んでいる「女性自身」が今週も健闘している。 「自身」は先々週もPCR検査について、厚生労働省が検査数を絞っていること、その理由は自らの管理下で検査を行うことで影響力を維持したい厚労省の思惑があることを指摘していたが、今度は感染者の大量隠蔽について踏み込んだ。 記事によると「自身」編集部に東日本の国立病院で働くスタッフからこんな告発があったという。 「ある県では2月27日までに新型コロナウイルス検査を54人に実施しました。そのうち陽性だったのは1人だけだったと発表しています。ですが、実はいま私たちの病院では5人の感染患者が入院中なんです」 しかも、病院では「感染者は公表するな」というかん口令が敷かれ、それは厚労省の指示だというのだ。これが本当だとしたらことは重大だ。さらに「自身」記事ではこの隠蔽以外にも杉並区での感染者情報が2日間も公開されなかったことにも疑問を呈している。「自身」にはこのことについてさらに突っ込んでほしいが、ほかにも記事では検査件数が少ないのは国立感染症研究所が検査を独占することで多額の予算を得ていること、また現在、政府がマスコミ報道や政府批判をしているコメンテーターに圧力をかけていることなども指摘されているのだ。そのなかには今回、政府にさまざまな警告を行い、マスコミ取材にも応じている内科医の上昌広医師の“メディア圧力”も紹介される。 「事前に局側から『政権や厚生労働省の批判は控えめに……』とくぎを刺されることがあります」 これが現在の日本の現状だ。政府は3月10日、新型コロナウイルス特別措置法を閣議決定した。これで緊急事態宣言を発令できるわけだが、こんなことをしている場合なのか。厚労省は現在、「検査体制能力は1日6000件を超えている」などといっているが、実際の検査数は1日数百人以下にとどまっている。きちんとした検査をしようとせず、感染者数の数字だけを低く抑え込んでいる。そして気に入らない報道をするワイドショーに圧力をかけているのだ。 感染被害を少なく見せようとする政府に多くのマスコミが忖度する中、「自身」は果敢にも安倍政権批判にまで切り込んでいる。その心意気を称賛したい。今後も頑張れ! 次のページ 鈴木杏樹との不倫報道の訂正記事? 12次のページ Yahoo ミヨシ/せっけん泡のハンドソープ ハンドソープ 関連記事 中居正広の独立で、木村拓哉との不仲説を“無理矢理”にでも払拭したい女性週刊誌中居正広、絶妙なタイミングで終結した「ジャニーズ事務所退所劇」の見事な着地点槇原敬之、「覚せい剤逮捕」報道に抱く“有罪”前提への疑問鈴木杏樹、東出昌大の「庶民の娯楽」不倫とは異なる、高級官僚たちの「ドロドロ陰湿」不倫金子恵美は“不倫の勝ち組”? 東出昌大の不倫に物申す「週刊女性」の呆れる記事