『テラハ』レビュー

【テラスハウスレビュー】香織の「テラハ卒業」に見る、昨今の“オシャレ人間”の自意識

2019/10/28 22:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

香織、最後までただのオシャレ人間(テラスハウス第19話)

 イラストレーターの香織は、スタジオメンバーから「“いい人キャンペーン”をずっとし続けている」(南海キャンディーズ・山里亮太)、「見る人と書いて“見人(みるんど)”」(チュートリアル・徳井義実)と呼ばれるほど、テラハ傍観者的存在になりつつあったが、「ロンドンに家を借りまして。明日卒業します、朝」と急に卒業を報告した。

 夜逃げのように誰にも会わず卒業した俳優・翔平(第18話)に続く、突然の卒業。「テラハにそんな思い入れとかないし~、なりゆきで出ちゃっただけでテラハ出身とかダサいし~、別れ際にワイワイされるのって古い青春物みたいでサムいし~」と言いたげな温度の低さを醸し出すのが、昨今のオシャレ人間のはやりなのかもしれない。

 そして行先はこれまたオシャレなロンドン。選んだ理由を「何か勉強したり、ちょっと仕事もあればうれしいなっていうのはあるし、ずっと行きたかったし」と、抽象的に語った香織。やっぱり実家が金持ちなんだろうな……と思わされた。「一枚絵で売れるアーティストになりたい」と、今の香織のイラストからは想像しにくい夢を語ったことは、ずっと忘れません。

流佳「覚えといてね、この味」(テラスハウス第20話)

 香織に憧れを抱いていた流佳は、卒業前夜の香織にパスタを振る舞うことに。流佳といえばパスタとブロッコリーと溶き卵を一緒に茹でただけのパスタを作り、視聴者を驚かせたが、あれから少しずつ進化し、この日作ったのは厚揚げとパスタを同じ鍋で茹でたものに市販のたらこソースをあえたものだった。

 厚揚げは謎だが、市販のソースがかかっているので、以前と違って味はあるようだ。流佳は香織に、キリッとした顔で「覚えといてね、この味」と一言。その味は、市販のソースの味だが……? 流佳としてはどうしても言いたかったセリフのようだった。


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