サイゾーウーマン芸能韓流K-POPサンプリングの元ネタ解説 芸能 [コラム]K-POPタテ・ヨコ・ナナメ斬り pH-1 からTWICE、NCT127まで全14曲! K-POP、サンプリングの元ネタを一挙解説 2019/08/03 22:00 e_e_li_c_a K-POPK-POPタテ・ヨコ・ナナメ斬り ――毎月リリースされるK-POPの楽曲。それらを楽しみ尽くす“視点”を、さまざまなジャンルのDJを経て現在はK-POPのクラブイベントを主宰するe_e_li_c_a氏がレクチャー。7月にリリースされた曲から[いま聞くべき曲]を紹介します! いま聞くべき1曲‖pH-1 – You don’t know my name 元2PM、Jay parkが設立したH1GHR Music所属のラッパー、pH-1のアルバム曲です。2000年代のアメリカのHiphop、R&Bを追っていた人には聞いただけで一発でわかる、冒頭の「You don’t know my name~round and round and round we go,will you ever know,will you ever know it? 」ですが、これはアメリカのシンガーソングライター・Alicia Keysの「You don’t know my name」という曲のサビのフレーズで、1:09~を早回し(※)しています。 □元ネタ:Alicia Keys-You don’t know my name ということで今回はK-Popにおけるサンプリングについて説明したいと思います。その前に、まずはサンプリングの歴史・経緯について説明します。 まず、手法でいう「サンプリング」は元々は1940~1960年代にエクスペリメンタルミュージック(実験音楽)のミュージシャンによって開発されたもので、環境音やさまざまな物を使って出した音を録音し、テープを切り貼りして音のコラージュを作ったりするところから始まりました。70年代にターンテーブル(レコードプレイヤー)を2台使い、当時流行していたソウル・ファンク・ディスコなどの楽曲のドラムブレイク(歌がなくドラムとベースだけの部分)を、同じレコードのドラムブレイクにつなぎ、ブレイクの部分だけを繰り返したものがブレイクビーツと呼ばれ、Hiphopのビートとなっていきます。 Hiphopの3大DJ、Kool HercによるDJプレイの2:45~がわかりやすいです。 このような成り立ちから、Hiphopはサンプリング技術に基づいた最初のポピュラー音楽ジャンルなどと呼ばれています。Hiphopの楽曲全てがサンプリングをしているというわけではないですが、前述のAlicia Keysの「You don’t know my name」にもサンプリング元があります。 □さらに元ネタ:The Main Ingredient – Let Me Prove My Love to You(1:46~) ※ レコードを再生するターンテーブルには再生速度が33回転と45回転の2種類があり、本来33回転で再生するものを意図的に45回転にしてかけるとピッチが高くなりBPMも速くなる。それを利用したサンプリングの手法の1つです。今はデジタルでどうにでもなるのでわざわざターンテーブルで律儀にこれをやっている人は少ないかもしれませんが……。 関連曲:K-Popにおけるサンプリング では、ようやくK-Popにおけるサンプリングについてです。 ■god – 어머님께 1999年リリースのgodのデビュー曲、JYPの社長パク・ジニョンが作詞作曲をしています。リリース当時は自身のみの作詞作曲としていましたが盗作疑惑をかけられ、後に2Pacの「Life goes on」をサンプリングしたものと明かされます。バックでかかっているカノンのようなシンセのメロディが「Life goes on」と一緒ですね。 □元ネタ:2Pac – Life Goes On 先程と同じ流れですが「Life goes on」にもサンプル元があります。 □さらに元ネタ:O’Jays – Brandy(0:16~) ■헤이즈 (Heize) – And July (Feat. DEAN, DJ Friz) 2016年リリース、シンガー兼ラッパーのHeizeの曲、客演のDeanが作詞作曲をメインでしています。こちらに関しては併せてこの曲も。 ■iKON – 솔직하게 (M.U.P) サンプリングするパーツは曲によってさまざまですが、この2曲に関してはドラムの部分をこの曲からサンプリングしています。 □元ネタ:The Honey Drippers – Impeach The President この曲のドラムは数え切れないほどたくさんの曲からサンプリングされており、Hiphop界隈ではImpeachのドラムといえばこれ! というぐらいです。 ■블락비 바스타즈 (BLOCK B Bastarz) – That’s right 今まではメロディとドラムがサンプリングされていましたがこちらは声ネタ。Block Bの派生ユニット、BastarzのThat’s right、0:10の「It’s yours」部分がこちらです。 □元ネタ:T La Rock & Jazzy Jay – It’s Yours(0:28) ■아이오아이 (I.O.I) – Whatta Man (Good man) Produce101で結成された期間限定グループI.O.Iの2曲目の活動曲です。こちらは曲名も同じこちら。 □元ネタ:Salt ‘N’ Pepa – Whatta Man 曲のアイデンティティとなるサビが全く同じなのでこれをサンプリングとするかカバーとするか難しい所ですが、曲まるまる同じわけではないのでサンプリングに留まるのでしょうか。 次のページ さらに……作曲ソフト、楽器のサンプルを使っている曲 12次のページ 楽天 #TWICE2 (初回限定盤B CD+DVD) 関連記事 Stray Kids「부작용(副作用)」、K-POPファンにはハードル高すぎな難解曲?[レビュー]Wanna Oneメンバー所属のAB6IX、HipHop事務所からのデビュー曲が良い![K-POPレビュー]YGエンタ・BLACKPINK「Kill This Love」の楽曲性は一歩先を行く![K-POPレビュー]日本版『PRODUCE 101』、「ありえない」「すごい嫌」と批判続出! 「元ジャニ―ズ出そう」の声も【マンガ】平野紫耀はアイドル最終兵器キメラである――LDH・K-POPオタを唸らせるKing&Prince【アイドル自由帳:59回】