【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

天皇に寵愛された、いわくつきの“養女”――66歳と18歳の知られざる関係【日本のアウト皇室史】

2019/07/13 17:00
堀江宏樹

セックスしたくらいで、彼氏面するのはしつこい!

堀江宏樹さん(撮影:竹内摩耶)

―――今でも、彼氏や夫がハイスペックだと、自分も同じレベルになったかのように勘違いする女性がいますよね~。まぁ璋子の場合、もともと家柄も良いですが……。その後、璋子は年上に飽きてしまったのか、17歳下の出家前の西行法師、俗名・佐藤義清(さとうのりきよ)とデキちゃっていたという「伝説」があるとか。

堀江 彼らと同時代ではなく、また正式な歴史の記録ではないものの、軍記物語『源平盛衰記』には、璋子に本気になりかけた西行が「私とセックスしたくらいで、彼氏面するのはしつこい」なんて言われて……という一節も出てきます。この言葉にショックを受けた西行は、結婚もしていて家族もいたのですが、何もかもを捨てて出家してしまったとか。

ところで、48歳年上の相手とのガチな恋愛って想像できますか?

―――いやー、私は無理かな……。男性というか、おじいちゃんにしか思えない!

堀江 正直でよろしいです(笑)。ただ、ときどき芸能界でもすごく若い子と、有名なシニアの「年の差カップル」って出てきたりするじゃないですか。それこそ加藤茶とか、離婚しちゃったけど虎舞竜の高橋ジョージ、沢尻エリカの話もそうですね。結局、わざわざかなり年上の男性と付き合うメリットって、彼の持っている財力・権力が大きな媚薬、フェロモンとして働くからかもしれない。「男は顔、イケメン万歳」とか言ってる女性とは価値観がまったく異なるかもしれません(笑) 


 若くて賢い女の子ほど、人生経験豊富で優秀な男性に「プロデュースしてほしい!」という欲求があるような気がするんです。だから権力者との関係は、成功への近道だけでなく、権力者と関わることで成長する自分を実感できるものなんでしょうかねぇ。

―――男社会だと、若い女が評価を得る手っ取り早い方法は、名声あるオジサンにプロデュースしてもらうことですもんね。でも、それって結構「ダサい」ことだと最近は思われてます(笑)。しかし、璋子さんみたいな女は、皇室はもちろん現代でも見かけません。

堀江 一昔前までは、プロデューサーとデキちゃってる女性アーティスト、すごく多かったよね。最近はみんな地に足ついてるから。そこまでして、成り上がりたくないっていう生き方が主流になってるんでしょうねぇ。

 次回以降も、歴史の中の破天荒な天皇家の方々の姿を追いかけていきたいと思います!

堀江宏樹(ほりえ・ひろき)
1977年、大阪府生まれ。作家・歴史エッセイスト。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。日本・世界を問わず歴史のおもしろさを拾い上げる作風で幅広いファン層をもつ。2019年7月1日、新刊『愛と欲望の世界史』が発売。好評既刊に『本当は怖い世界史 戦慄篇』『本当は怖い日本史』(いずれも三笠書房・王様文庫)など。
Twitter/公式ブログ「橙通信


最終更新:2019/09/18 15:36
愛と欲望の世界史
他人には理解できない関係って意外とあるのかも