サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー内面より外見至上主義のエスカワ カルチャー [女性誌速攻レビュー]「S Cawaii!」2019 SUMMER号 「内面ってよくわからないじゃん?」若い女に“外見至上主義”の呪いをかける「S cawaii」 2019/06/02 14:00 藤本なつき 女性誌レビューscawaii! 「S Cawaii!」2019 SUMMER号(主婦の友社) 「S Cawaii! 2019 SUMMER号」(主婦の友社、以下エスカワ)は、「自分のことが好きになる顔とカラダ」と銘打って、美白や小顔、ダイエットなど「自分磨き」にまつわる情報をぎゅっと詰め込んでいます。「コンプレックスをカワイイに変える」と意気込む「エスカワ」ですが、「5cm脚を長く見せる神尻トレ」や「全力小顔辞典」という言葉に、自力で変えられるものなの? と疑問を抱いてしまいます……。早速中身を見ていきましょう! <トピックス> ◎もっと自分らしく、もっと女の子を楽しみたい! ◎スキニーぼいんプロジェクト ◎性格別BESTダイエット 「外見至上主義」という歪んだモチベーション 冒頭の「もっと自分らしく、もっと女の子を楽しみたい!」というページには、読者の意識を今号のテーマである“自分磨き”に向けさせるような“檄文”がズラ~っと並んでいます。 まず読者に、「この世界は、女だけが外見が(ついでに年齢も!)占めるウエートが高すぎっ! 男が生きる場合といろいろ違いすぎない?」という言葉を投げかけます。外見だけで判断されるのは腹が立つし、納得いかないこともあると共感しながら、なぜかその後には「外見こそ、てっとり早く自分次第で変えられる。内面って言われてもよくわからないじゃん。性格? 頭のよさ?」と“外見至上主義”を肯定しているとも取れる文章が。 また、「明日すぐ石原さとみになることをめざす」のではく、「昨日よりちょっと小顔になった」と、一歩ずつ前に進んでいることを実感することが大切だと訴えているのですが、石原は過去の記者会見で「外見よりも内面を伴わないと皆さんに求めてもらえなくなる」と話していましたよ! 美のお手本である石原は、「外見」だけではなく、「内面」も磨いているようなので、一般人が“外見だけ”一歩ずつ前に進んでも、一生追いつけない存在であることは間違いありません。 最後は、「目標地点は人それぞれで、なんでもOK。自分らしさを手に入れるために、自信を持って行こう!」という言葉で締めくくられていましたが、「エスカワ」の論調だと「自分らしさ=外見」なので、どうしても違和感を覚えてしまいます。「自分らしさ」「人それぞれ」と言いつつも、周囲の評価を気にしているのではないでしょうか? なんだか、「良いことを話しているふう」でお馴染みのお笑い芸人キングコング・西野亮廣を彷彿とさせる、危うい自己啓発の香りが漂うページでした。 次のページ 明日花キララのストイックすぎる美意識 12次のページ Yahoo S Cawaii! 2019SUMMER 関連記事 「女は大学行くより整形したほうが幸せ」化粧と整形に猛進する「S Cawaii!」のトンデモ価値観橋本環奈の顔面になれる!? 「努力次第で何とかなる」思想を植えつける「ar」の非情さ「ar」初登場で乃木坂46を蹴散らす! 安達祐実(37歳)が突きつけてくる“素材”という現実永野芽郁は高級ブランドアピール、日向坂46は“非モテ”設定!? 読者の共感に乏しい「Seventeen」JKの「ブラックバイト・部活」に注意喚起! 優等生を良しとする「Seventeen」に募る不安