山崎ケイの「ちょうどいいブス」キャラは、人をトリコにする? 炎上の背景に見えてくるモノ
悪意を視聴者に任せるという手法を番組で用いているのが、芸人・有吉弘行ではないだろうか。『有吉弘行のダレトク!?』(フジテレビ系)で、有吉はアシスタントを務めるフリーアナウンサー・高橋真麻に正面切って「ブスだなぁ」と述べるなど、有吉いわく「高橋英樹公認のブスいじり」をしてきた。しかし、そういった発言が炎上のもとになる風潮を察したのか、最近有吉は、外見を下げる言い方はしない。その代わり、有吉は逆に女性を一律褒めだしたのだ。
例えば、『有吉反省会』(日本テレビ系)で、女性レギュラーやゲストを「反省会の美女軍団を用意しました」と言うのがまさにそれで、「その通り、美女だ」と肯定するか、「どこが美女だよ」と否定するかは、見る人に任される。確かなことは、有吉は言葉で女性をけなしていないので、クレームはつかないということだろう。
クレームと言えば、不思議なことが一つ。ニュースサイト「週刊女性PRIME」が「女性が選ぶリアル“ちょうどいいブス”芸能人は?」という企画を行ったのだが、これは炎上しなかった。花王と同じく、女性週刊誌も女性を主な顧客としているだろうから、顧客である女性に対して侮蔑的な表現を取るのは禁忌だろう。そして、ブスと査定されることが嫌だ、失礼だと言いながら、「この人がブスだ」とブスチョイスに参加する女性も存在するわけだ。しかし、この記事は燃えない。私はここに、一つの深層心理が隠されているような気がしてならないのだ。
自分がブスと言われるのは絶対にイヤだけど、人に言ったり、人が言われるのは面白いと感じる女性も、それなりに存在するのではないだろうか。有吉が(直接的な言葉は封印しても)容姿いじりを続けるのも、「ブス」が大衆ウケする不滅のコンテンツだと読んでいるからかもしれない。山崎の「ちょうどいいブス」は、案外長持ちするキャラになりそうな予感がする。