サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」ちょうどいいブスは人をトリコにする? コラム 仁科友里の「女のための有名人深読み週報」 山崎ケイの「ちょうどいいブス」キャラは、人をトリコにする? 炎上の背景に見えてくるモノ 2019/03/07 21:00 仁科友里 女のための有名人深読み週報 山崎ケイが出演する「三菱地所CM」は見る人によって感想が違う そんな山崎、最近は三菱地所のCM「新しい匂いのする街」シリーズ「丸の内の健康意識篇」に、女優・高畑充希と共に出演している。このCM、見ようによって、感想が違ったものになってくるあたりが、面白いと思う。 「丸の内は健康意識が高い」という高畑のナレーションから始まるCMは、「健康意識」という言葉を、単純に「健康に気を使っていること」と解釈するか、「意識高い女性が気を使いがちなこと」と解釈するかで、見え方が違うのではないだろうか。 CM内容はこうだ。山崎と高畑がレストランで食事をしているが、山崎は「焼きそばのそば抜き」を注文し、高畑に「それってただの野菜じゃ」と突っ込まれている。食事を終え、山崎は「さぁ、走るわよ」と意気込むが、途中で脚が吊って動けなくなる。そこにイケメンが現れ、おんぶしてもらうことに。高畑が「お知り合いですか?」と尋ねると、山崎は「出会いよ、出会い」と仮病であることをほのめかす。 このCMを「健康に気を使っていること」という観点から見るのなら、糖質を気にして「焼きそばのそば抜き」を頼むのも理にかなっているし、皇居ランも妥当な選択だろう。食事や健康に気を付けた結果、イケメンとお知り合いになれたというご褒美もついてくるので“いい話”である。 それでは、「意識高い女性が気を使いがちなこと」と解釈するのなら、どう見えるだろうか。 『女が女に怒る夜』(日本テレビ系)など、オンナ芸人や駆け出しのタレントが嫌いな女の話をする番組で、必ずといって例に出てくるのが、この「意識高い女」である。例えば、モデルの真似をして、体が冷えないように常温の水を飲んだり、オーガニックの食品しか口にしない女性などを指すそうだが、なぜモデルなら許されて、一般人女性だとイラつかれるのかと言えば、結果の差だろう。「意識高い」という言葉は、「声高に努力を語る割に、結果が追い付いていない人」を小バカにしていると言えるのではないだろうか。 こうした「意識高い女性が気を使いがちなこと」という観点からみると、山崎が「焼きそばのそば抜き」を注文して高畑に突っ込まれるシーンは、「やる気はあるけれど、抜けがある」エピソードに思えてくる。また、それを伏線だと解釈するなら、おんぶしてくれたイケメンと山崎がうまくいくことは「ない」と想像がつくだろう。このように、三菱地所のCMは、その人の悪意の含有量で、見え方が変わるCMなのである。 次のページ 有吉弘行が女性の容姿を褒めだしたワケ 前のページ123次のページ 関連記事 「地元の友達に負けたくない」横澤夏子が憧れる、“キラキラした東京生活”の大いなる盲点「オンナ芸人のブスいじり」が消えつつある今、バービーがニューヒロインになりそうな理由英国王室・メーガン妃、悲痛な“父親への手紙”に考える、「娘の足を引っ張る親」の胸中平野ノラ、ポンコツ夫エピソードに考える「選んだのは自分」という結婚自己責任論の是非尼神インター・誠子、「結婚よりお笑い」「オンナとして不幸」発言に見る“芸人としての力量”