サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「ar」かまってちゃんを受容する新時代 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「ar」3月号 失恋したら「自撮りをSNSにアップ」!? 「ar」に見る“かまってちゃん”を受容する新時代 2019/03/01 20:00 島本有紀子 女性誌レビューar 「ヒュッゲっぽ~い♪」と言っとけばOK! ここからは、LOVE特集はどこへやらの、とっ散らかり企画たちを紹介していきます。まずは「LOVE ME真冬のHYGGEな暮らし」。「HYGGE(ヒュッゲ)」とは、「デンマーク発祥のライフスタイル。(中略)リラックスしてゆっくりと時間を楽しむ過ごし方のこと(ハート)」だそう。ざっくりとした説明で、いまいち全貌がつかめません。 「arスタッフもヒュッゲしてます♪」として紹介されているのは、「ダッチオーブンを使って、ぱちぱち燃える火を眺めながらじっくりお肉を焼きます」「雪の中、真冬の本気のキャンプをします」「集めているムーミンのマグ。(中略)これでコーヒーを飲みながら読書します」など。ムーミンってデンマークではなくフィンランドでは? という疑問は置いておくとして、「ar」では「なんとなく北欧っぽいことをする」ことをヒュッゲとしたのかも。 ……と思ったのも束の間、「ヒュッゲを感じられるスポット」として紹介されていた中には、池袋サンシャインシティの「コニカミノルタプラネタリウム“満天”」や漫画読み放題の「立川まんがぱーく」も。ヒュッゲの守備範囲は広いようです。とりあえず、ほっこりしたイイ感じのものごとには「ヒュッゲっぽ~い♪」と言っておけば、“わかってる人”ぶることができるのかも。 全国の鈴木が怒るぞ とっ散らかりは、ここからさらに極まります。唐突な米特集「米ラバー」、ビール特集「ビールQ&A」、“鈴木”という名前の男性を集めた「鈴木と書いてイケメンと読む! 気になるオトコは鈴木だった!」の3本です。 まずは「米ラバー」。土鍋での米の炊き方から炊飯グッズ、おむすびのレシピ、米に合うおかず、さらには化粧水「米肌」や美容クリーム「ライスフォース」などの米系美容まで7ページにわたって紹介されています。どうして「ar」でいきなり米なのか? の疑問は晴らされないまま、それほど深くもない米の知識が羅列されています。 次の「ビールQ&A」。タイトルのひねりが皆無で、中身も「ar」らしからぬ漢字の多さで字・字・字! 紹介されているのがサッポロのビールだけなので、「広告らしさを排除したサッポロの広告記事」を狙ったのだと思いますが、広告だとバレバレです。このページをちゃんと読む「ar」読者はいないのでは。広告の意味よ何処へ。 最後の「鈴木と書いてイケメンと読む! 気になるオトコは鈴木だった!」。タイトルだけ見て、鈴木大集合を期待したものの、読んでみると登場する鈴木は2人だけでした。劇団EXILEの鈴木伸之と、「メンズノンノ」(集英社)のモデルで俳優の鈴木仁のみ。「気になるオトコは鈴木だった!」という仰々しいタイトルを付けるなら、もっと頑張ってほしい。鈴木福くんとかパパイヤ鈴木とか鈴木浩介とか鈴木亮平と鈴木雅之とかイチローとか、それか鈴木拓(ドランクドラゴン)でも集めろや! と思ってしまいました。 ヒュッゲにしろ、米にしろ、鈴木にしろ、統一感がなく浅い企画ばかりだった今月号。次号に期待です! (島本有紀子) 前のページ12 最終更新:2019/03/01 20:00 関連記事 宮田聡子を起用して“匂わせ”の極意を伝授! 「ar」の狙いは山田涼介ファンを挑発!?ひょっこりはんの髪形を猛プッシュ! 本気なのかギャグなのか戸惑う「ar」のオシャレ女子像「どメス」「グジョつき」「あふれ出てる~」! 「ar」メイク企画がもたらす高揚感の正体武井咲、「ar」で子育て論語る! 育児中の女性をモヤらせる「エモい発言」が与える影響「ar」は“自分萌え”を捨てるのか? 「彼が喜ぶニヤケ服」「清楚メイク」推しへの違和感 次の記事 メゾンドポリス、井上順のチャラ男が話題 >