サイゾーウーマンコラム知られざる女子刑務所ライフ刑務所でインフルエンザ大流行のワケ コラム 知られざる女子刑務所ライフ58 刑務所でインフルエンザが大流行したワケ――元女囚が考えるムショの環境 2019/02/10 16:00 中野瑠美 知られざる女子刑務所ライフ 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。 ■名古屋刑務所で300人がインフルエンザに感染 はやってますねえ、インフルエンザ。読者の皆さんは大丈夫ですか? 予防接種をしていても、かかる時はかかるそうで、私はラウンジを経営しているのでヒヤヒヤです。インフルに限らず、調子が悪い時は休めればいいんですけど、そうもいきませんしね。 なんて思ってたら、メイケイ(名古屋刑務所)のインフル大感染が話題になりました。もうだいぶ収まってるようですが、受刑者約200人、職員約100人の計300人ほどがインフルにかかってたんですね。なんと受刑者全体の1割、職員全体の2割に当たるそうで、かなりごついです。 とはいえ100人を超えたことは2015年にもあったそうで、ホンマはもっとあったんちゃうかなーと(笑)。施設の規模が大きければ大きいほど、関わる人も増えるから、感染も広がりますね。 ■シャンプー後に髪が凍っても風邪知らず(笑) 私がムショにいた頃は、表立った大感染はなかったです。もちろん風邪をひいたり、じんましんが出たりなんかはしょっちゅうでしたけど、ノロウイルスや食中毒騒動も特になかったですね。 とはいえ「あの環境」で、よう無事やったなあと今は思います。暖房は最低限で寒いのはもちろんなのですが、部屋が狭くて「人と人の距離」が近いですからね。インフルはせきやくしゃみでうつるから、同房でゴホンゴホンやられたらイッパツだそうですよ。マスクは必需品です。 あと、空気が乾燥していると、ウイルスが活発にあっちこっち飛ぶそうです。加湿器があればいいみたいですけど、そんなもん、あるわけないし。もちろん、ドライヤーもありません。シャンプーした後、みんなそのままなので、冬なんか翌朝は髪が凍ってました。これがインフル予防にはよかったのかも……そんなわけないですね。 今思えば、インフルより肺炎のほうが怖い環境でしたが、誰もかかっていませんでした。ムショにはイジメもあって、「ヘンな緊張感」が漂っているので、風邪とかもひかなかったのかもしれません。名古屋の場合は、とにかく大所帯やからヘンに緊張しすぎて、みんな疲れてダウンしたのかも(笑)。 次のページ ほかにもある「名古屋刑務所」の心配ごと 12次のページ Amazon 女子刑務所ライフ! 関連記事 羽賀研二「激ヤセ」のワケとは? 元女囚が考えるムショの食事問題ホリエモンがいた長野刑務所に「介護スタッフ」――元女囚が考えるムショの高齢化問題 覚せい剤が取り締まり強化で「品薄」!? 元女囚が読む、シャブ業界の年末事情ゴーン前会長は独居で「洗濯ばさみの組み立て」?——元女囚が考えるエリート外国人の収監吉澤ひとみの執行猶予付き判決は想定内——元女囚が考える「3つの芸能人裁判」