サイゾーウーマンカルチャーインタビュー「萌え絵」「マンガ絵」のボーダー カルチャー インタビュー 絵本/児童書の“萌え絵”論争はなぜ白熱する? 「萌え絵」「マンガ絵」のボーダーを考える 2019/01/02 21:00 インタビュー 『シンデレラ(せかいめいさくアニメえほん)』(河出書房新社) 「絵本/児童書に“萌え絵”を使用するのは是か非か」――そんな論争が、ネット上で巻き起こって久しい。「人に萌えを感じさせる絵」を意味するという萌え絵は、人に性的なイメージを連想させるケースもあるだけに、「子ども向けの本にはふさわしくない」とする意見が出ているのだ。しかしその一方で、「『萌え絵』として問題視されている絵は、子どもに好かれそうな少女マンガ絵ではないか?」「萌え絵とマンガ絵の違いを把握できていない人がいる」といった指摘も。 そんな中、絵本/児童書の萌え絵論争において、例に挙げられることが多い「せかいめいさくアニメえほん」シリーズを出版する河出書房新社が11月、公式Twitterに見解を発表。「絵本萌え絵論争が囂しいですが、弊社の『せかいめいさくアニメえほん』は作家さんたちに『萌え絵を描いてください』とお願いしたものではなく『子ども自身が飛びつく絵を』という発注のため『なぜ萌え絵にしたのか』としきりと質問され困惑、担当者も何度説明しても理解してもらえず苦慮しています」とつづり、「そもそも萌え絵ではない」ことを断言したのだ。 では、「萌え絵」と「少女マンガ絵」もしくは「子どもが飛びつく絵」には、具体的にどのような違いがあるのだろうか。河出書房新社に問い合わせを行ったところ、残念ながら「回答しかねる」との返事だったが、この違いを明確にすることにより、最近の「絵本/児童書」に対する見方が変わる人もいるかもしれない。そこで今回、京都精華大学マンガ学部マンガ学科キャラクターデザインコースで教鞭を振るう、ときまつさなえ氏に取材を行った。小学館「ちゃお」、講談社「なかよし」、芳文社「まんがタイムファミリー」等でのマンガ連載のほか、東京書籍「小学生理科」教科書のイラスト、絵本『いたずらさるの子』などの絵を担当している、ときまつ氏の目に、萌え絵はどう映るのだろうか。 次のページ 萌え絵と少女マンガ絵は「顔は同じ」 1234次のページ Amazon シンデレラ (せかいめいさくアニメえほん) 関連記事 絵本・児童書の“萌え絵”論争――「子どもに悪影響」の声に、児童文学評論家が反論ロボットデリヘル炎上――「しゃべらない」「モノ化する」風俗嬢の危険性を、当事者視点で考察「就活メイク講座」はなぜ気持ち悪いのか? 日本の“就活マナー”が失ったもの「東大女子の婚活は苦戦する」は本当か? セレブ高学歴特化型の結婚相談所に、真相を聞く!「週刊誌=おばさん認定」は本当か? 現役美容師が「お客様に渡す雑誌」の裏側を暴露