業界の裏側に迫る

ディズニー裁判、お化け屋敷ブームの弊害……2018年「テーマパーク業界」4大トピック

2018/12/30 19:00

 子どもだけでなく大人をも魅了するテーマパーク。夢のような世界だが、業界のウラ側ではさまざまな出来事が起こっている。そこで今回、テーマパーク経営を研究している、東京経営短期大学専門講師の中島恵氏が、2018年「テーマパーク業界」の4大トピックを発表! 12月開催のテーマパーク・ライブ・演劇・レジャースポーツ産業を網羅した日本唯一の専門展「レジャージャパン2018」に参加し、その1セッションである「テーマパークEXPO2018」で、出展企業に取材を行ったという中島氏の目に、今の業界はどう映るのか、寄稿してもらった。

1.プロジェクションマッピングが飽和に!?

東京ディズニーリゾート公式サイトより

 2010年代にブームとなったプロジェクションマッピング。長崎県佐世保市のハウステンボスが、2011年に「光と闇の王国」を導入、14年5月に、千葉県浦安市の東京ディズニーランドが「ワンス・アポン・ア・タイム」をスタートさせると、シンデレラ城に写し出される壮大なナイトショーは大きく報道され、プロジェクションマッピングは知名度を上げた。その後、テーマパークだけでなく、JR東京駅の駅舎、姫路城、横浜ランドマークタワー、金沢城、富山駅などでも行われるようになったが、もはやプロジェクションマッピングは飽和状態にあり、「簡単に注目される」「報道される」「個人SNSに載せてもらえる」「集客できる」わけではなくなったようだ。

 それでもプロジェクションマッピングが続々と登場しているのは、開発費が安いから。「レジャージャパン2018」に出展していたある東京都区内のIT企業は、なんと35万円から制作しているそう。「ワンス・アポン・ア・タイム」の開発費が、大型絶叫マシンと同程度の20億円だったことを考えると破格の安さである。しかも、写し出すプロジェクターを持って移動すれば、別の施設で同じものを上映できるメリットもあるだけに、いまやプロジェクションマッピングは「持たざる者の集客手段」となり、このままでは増えすぎて、オワコン化を促進してしまう。

 ただし、デジタルコンテンツ制作会社であるチームラボが6月にオープンした「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM EPSON teamLab Borderless」は大人気で、チケットが取りにくい状況にある。ほかにも東京ドイツ村(千葉県袖ケ浦市)、相模湖プレジャーランド(神奈川県相模原市)など、光と映像のテーマパークが人気で、従来型の乗り物中心のテーマパークの強力なライバルになっている。また、神戸ルミナリエは、テーマパーク外に期間限定で作られる無料で見られるイルミネーションで、18年度は342万人が来場し、会場での募金4310万円を得た。今後、光のイベントの動向にも注目したい。

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