コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

平野ノラ、ポンコツ夫エピソードに考える「選んだのは自分」という結婚自己責任論の是非

2018/12/13 21:00

 番組でノラは、「夫妻ともにハワイは初めて」と言っていたが、海外旅行に慣れていなかった場合、いろいろなことにモタモタするのは、おかしなことではない。わからないことがあったら、聞いたり調べればいいわけだが、気後れして質問することができなかったり、逆に日本と同じように行動して顰しゅくを買う男性もいる。

 妻が注意しても態度が変わることはなく、「こんなコミュニケーションが取れない人と一生一緒にいられない」と、帰国後にすぐ離婚する人がいて、それを成田離婚と呼ぶのだが、この言葉が定着した頃、旅行会社が男性をターゲットに「成田離婚を回避するためのプレ新婚旅行」を企画して話題を呼んだことがある。旅行の経験がないゆえにモメるのであれば、あらかじめ“予習”しておけば、離婚を回避できるという考えのもとに企画された旅行で、このツアーに参加した男性の成田離婚率は0%だったそうだ。つまり、ノラの夫エピソードも、ただ単に「初めてのことに強いプレッシャーを感じて、自信がないからうまく対応できない人もいる」という程度の話で、ノラが真剣に離婚を考えるようなことではないのではないか。

 「夫を育てる」というノラの発言が、具体的に何を指すのかわからないが、「ダメな夫を選んだ私が悪い」という自己責任論を胸に抱えたままでは、ずっとイライラしたままだろう。小さなわが子とて、親の思う通りには育たないのに、大の大人がそう簡単に妻の言うことを全て聞くとは思えないからだ。となると、自己責任論の妻は「この人がヘボいと、私までダメだと思われる」「こんな夫としかと結婚できなかったのは、自分のせい」と、ずっと自分と相手を責め続けるのではないだろうか。

 結婚とは、2人で生計を共にする契約であり、相手の人格や能力に責任を持つことではない。なので、ポンコツであっても法を犯さなければOKだし、妻(夫)の責任でもないように思う。

 「この人、なんでこんなことするんだろう」と思うのが結婚の始まりではないか。恋愛禁止のグループにいる若い指原も、新婚の平野もあまり頭でっかちにならずに、ゆるーく行きましょう。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

最終更新:2018/12/13 21:00
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