オンナのちょっと気になる部分

「週刊誌=おばさん認定」は本当か? 現役美容師が「お客様に渡す雑誌」の裏側を暴露

2018/07/05 19:53

40~50代の女性に、赤文字系を渡そうとするミスも

 前出のAさんいわく、「独身なのに主婦向けの雑誌を渡す、そのお客様より上の年代の雑誌を渡すといったことは、完全に美容師のミス」と指摘する。

「美容師が、雑誌のジャンル、読者層の年代を把握していない、またお客様のことを覚えていないために起きた失敗だと思います。新人だとたまにやってしまうかもしれませんが、実際にお客様からクレームを受けたというのは、ないかなぁ。そんなことしたら、お客様の前に先輩にど叱られるので、『先輩から説教されたことがある』という美容師はいるかも。あと、気をつけないといけないのは、お客様より下の世代の雑誌を渡してしまうこと。以前、40~50代、言い方は悪いですが“普通のおばさん”といった感じのお客様に、赤文字系のファッション誌を渡そうとした美容師がいて、『ちゃんと見て!』と。『若く見られてうれしい』と好意的に受け取ってくれる人もいるかもしれませんが、不快に思われる人もいますから、注意が必要です」

 また、新規のお客さんの場合、見た目に加えて、会話の中で「独身か既婚か」「子持ちかキャリアウーマンか」などを聞き出し、それによってその人に合った雑誌を決めるというAさん。2回目以降のお客さんに関しては、朝礼で「お客様情報」の申し送りを行い、「その際には、結婚しているかどうか、といったことも伝えます。もしそのお客様が大好きな雑誌があれば、『絶対にそれを渡してください!』と共有する」そう。施術中、話を振られるがままにプライベートについての話をする人も多いだろうが、意外にも美容師はしっかりとその話を把握しているようだ。

「週刊誌を渡されたら、それで即『おばさん認定』というわけではないです。会話をしている中で、そのお客様がニュースで話題になっている芸能人の話をしたとか? 美容師が『このお客様はゴシップが好き』と思ったら、若い方でも週刊誌を渡す可能性はありますね。見た目だけでなく、会話からも判断していると思ってくれるとうれしいです。あと、私の場合、その人の年齢層に合ったファッション誌を3冊、あとグルメ誌やカルチャー誌などを1冊、計4冊持っていって、選んでもらうようにしています。そうすれば、嫌な思いはさせないかなって」

服装に気を使ってなさそうな30~40代に渡すのは……

 都内で美容師をしているBさんも、Aさん同様に「見た目だけでなく、会話の内容も重要」と語るが、新規のお客さんに受付で待ってもらう際に渡す雑誌は、「完全に見た目だけで判断しています」という。


「ただ、うちの場合ですが、お客様と会話をする前に渡す雑誌に関しては、主婦向け雑誌を外すようにしています。失礼に当たるといけないからという配慮で、そういった点に関しては、どの店も気を使っているんじゃないでしょうか。『独身なのに主婦向け雑誌を渡された』という場合は、かなり落ち着いた雰囲気が出てたってことだと思いますけどね」

 またBさんは「言い方は悪いですが……」とことわった上で、「私は30~40代で、服装に気を使ってなさそうなお客様には、無難に『東京ウォーカー』(KADOKAWA)とかの情報誌をベースに、そこにその方の年代のファッション誌を加えて持っていくことはあります」と本音を覗かせる。

「逆に『美容院=オシャレ』な場所と思って、背伸びしたファッションで来るお客様も多いんですが、それは避けた方がいいかも。一番好きなジャンル&等身大のファッションでご来店してもらった方が、雑誌だけじゃなくて、髪形やヘアケアの提案までまるで違ってきます。普段通りの格好で来てほしいなと思います」

週刊女性 2018年 7/17 号 [雑誌]