サイゾーウーマンカルチャー社会元職員語る「児童相談所」バッシング カルチャー 「児童相談所」とはどういった場所なのか? 元職員が語る「児童相談所」バッシング――目黒虐待死の事実は重い、それでも知ってもらいたいコト 2018/06/17 17:00 コラム社会 職員は常に綱渡り、しかし1人でも救えなかった事実は重い そこで働く職員についてですが、筆者は1施設しか経験していないので、ほかの施設のことまではわからないものの、ただ、少なくとも働いていた施設ではどの職員も常に全力で、保護者や子どもとぶつかっていました。実際は、子どもたちに反抗されて、ぶつかられることが多かったですが。 しかし、どんなに保護者のこと、子どものことを思っていても、結愛ちゃんの事件のように救えなかった命があったこと、尊い子どもの命が失われた事実は重く受け止めています。現役の職員たちも同じ気持ちであることは間違いないでしょう。 世間で言われている通り、児童相談所には行政執行として子どもを強制的に保護する権限がありますが、虐待の度が過ぎ、このままでは子どもの生命に危険がおよぶと判断されたときにのみ、その権限を行使します。 一部のメディアから児童相談所の怠慢として指摘され、ネット上では「職員も罰せられるべき」などと言われていますが、確かに、結愛ちゃんの事件も強制保護をしていれば救えた可能性のある命であり、職員の対応に誤りがなかったとは決して言えません。 ただし職員は、権限があると同時に、それを濫用しないよう戒める必要もあると考えます。可能性があるからと全て保護していたのでは、子どもから“保護者を取り上げること”にもなるのです。職員たちが常にグレーゾーンで綱渡りをしている――そのことを知っておいてもらいたいというのが本音です。 次のページ メディアが伝えない児童相談所が救ってきた命もある 前のページ1234次のページ Amazon 走れ! 児童相談所 発達障害、児童虐待、非行と向き合う、新人所員の成長物語 関連記事 「認知症でなくとも性格は変わる」高齢ドライバーの免許返納問題、家族の説得が難航するワケ【新潟・女児殺害事件】小林遼容疑者は「優しくていい子」――医師に聞く“小児性愛者の素顔”ナンパセミナーの恐るべき実態――酩酊女性に乱暴容疑事件、「ナンパ塾」代表が怒りの訴え!!「連絡帳の自作」を保護者に指示――“時代錯誤”な小学校と“よき母になりたい”親はなぜすれ違う?大阪・女性監禁事件の現場“ヤミ民泊”の実態――「9割が違法」「宿泊者が誰かわからない」