サイゾーウーマンカルチャー『はだしのゲン』全然売れてなかった? カルチャー ちょっと意外な展開 「ゲンコラ」で話題『はだしのゲン』、発売当初は返本の山もなぜか後押しされたワケ 2018/06/09 16:00 マンガカルチャーはだしのゲン 「はだしのゲン」は売れなかった!? フタを開ければ“7割返本” 西河内さんは『はだしのゲン』が単行本化された際に、草の根で広がった普及運動に参加した1人だ。 ゲンコラの問題に対しては「昔ならともかく、今の汐文社はKADOKAWAグループ。著作権侵害には厳しいでしょうし」くらいの感想しか持たない西河内さんだが、その普及運動の中で見た出来事には、饒舌だった。 『はだしのゲン』は当初『週刊少年ジャンプ』1973年25号に連載開始。74年39号まで続いたが、集英社から単行本化はされないまま、埋もれようとしていた。 今となっては証言は錯綜しているが、これを知った日本共産党の同調者であるマンガ評論家の石子順さんが、当時は日本共産党系の出版社であった汐文社を中沢さんに紹介し、強く働きかけたのが単行本化の経緯である。 西河内さんが『はだしのゲン』を知ったのは、75年2月のこと。 「東京の被爆教師の会と被爆二世の会で、石子さんと中沢さんを呼んでシンポジウムを開催したのです。この時に、中沢さんは原画をすべて持って来て『これは、もう出版してもらえないかもしれない』と話していたのです」 その後、75年5月に単行本は刊行されているので、すでに出版に向けての動きはあったようだ。ただ、ここで石子さんからは「もっと、皆さんが普及してくれるというのならば、汐文社の感触もよくなるだろう」という発言があったという。つまり、出版社側としても『はだしのゲン』単行本化は、あまり乗り気ではなかったのだ。 そんな状況の中での、全4巻での刊行。結果、売れ行きは、まったく芳しくなかった。この年の「赤旗まつり」ではサイン会もやってみたけれど、「好きな人」は来るが、売れ行きは伸び悩んだ。「朝日新聞」や「読売新聞」が記事で取り上げても同様。返本は7割にも達していたという。 次のページ 「共産党系」のマンガを、「自民党」がフジで紹介!? 前のページ123次のページ Amazon はだしのゲン 第1巻 青麦ゲン登場の巻 関連記事 「他人の記事をパクるのはこんな人」弱小出版社の編集者が語る、パクリ騒動が起こるワケ薬物逮捕報道のASKA、“ブログ本出版”計画してた! 逆オファー受けた出版社は?桂文枝、“リベンジポルノ写真”が出版社に出回ってる!? 「男性の全てが写ってる」と記者告白ベッキー、手記出版オファー殺到! 大手出版社が“炎上上等”の純愛ストーリーを画策!?「『情熱大陸』出たい」「取材費数百万ほしい」林真理子の“野心”に出版社涙目?