インタビュー

【新潟・女児殺害事件】小林遼容疑者は「優しくていい子」――医師に聞く“小児性愛者の素顔”

2018/05/19 17:00

「社会的能力が劣っている」というイメージは誤解

 福井氏はまず、小児性愛者自体は人口の5%ほどいるとし、「40~50人のクラスには2~3人いる計算になります。皆さん知らないだけで、小児性愛の嗜好を持つ人と普通に接してきているんです」と語る。世間では、「小児性愛者=危険人物」と見る向きが強いものの、「性的な嗜好というのと、それを子ども相手に実行するというのは話が別。実行せずに、例えば動画などを見ることで満たしている方も大勢います」という。

「小児性愛者に対して、『社会的能力が劣っている』といったイメージを持つ人が多いようですが、それもまったくの誤解です。例えば、同性愛者の方が『社会的能力が劣っている』なんてことはあり得ませんよね。それと同じだと考えてください。性的嗜好とは別として『優しくていい子』というイメージだった人が殺害事件を起こした点において、驚く人がいるのは理解できますが」

 また、福井氏は、小児性愛について詳しく解説をしてくれた。小児性愛には、2パターンあるという。

「『子どもにしか興味がない』という純粋型と、『大人に興味はあるのだが、コミュニケーション能力が低いがために親しくなれず、性的対象を子どもに向ける』という非純粋型です。小林容疑者は、職場では普通に過ごしていたと報じられているので、後者には当てはまらないのではないかと思われます。なお、純粋型は遺伝による先天的なものが大きいです。あとは、幼少期に性的虐待を受けたことにより、発達がうまくいかず、加害者になってしまうというケースもあるのですが、それが小林容疑者に当てはまるかどうかは検討に値すると感じています」

ストーカー病―歪んだ妄想の暴走は止まらない―