サイゾーウーマンコラム知られざる女子刑務所ライフカタギが「シャブ運び屋」になる理由 コラム 知られざる女子刑務所ライフ37 家族旅行で“18億円”覚醒剤密輸! 元女囚が解説する、カタギが「運び屋」になる理由 2018/04/29 16:00 覚せい剤知られざる女子刑務所ライフ Photo by gtknj from Flickr 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。 ■両親が逮捕されたら子どもたちは施設へ? アフリカのケニアから約30キロの覚醒剤をコーヒー袋30個に小分けして持ち込もうとしたペットショップ経営者の夫婦が、羽田で逮捕されましたね。末端価格は約18億円だそうで、ごっついですねえ。 夫婦のうちご主人は認めたあと黙秘、奥さんは否認しているそうですが、お子さん連れだったことが気になりました。子どもを巻き込んだらアカンでしょう。 私も4回も逮捕(パク)られて家族に迷惑をかけましたから、特にそう思います。両親ともパクられたら、お子さんたちは児童養護施設で暮らすことになるかもしれませんね。私の場合は、実家の母がいてくれて助かりましたが、他人事ながら心配です。 親御さんが実名を出されてバンバン報道されているのもかわいそうですね。子どもには何の罪もないのに。 ■1回につき400万〜1000万円の“報酬” さて、報道によりますと、パクられた夫婦はペットショップを経営してますね。合法の商売ができているということは、ヤクザではないちゅうことですよね。今のヤクザは銀行の口座も持てませんから、覚醒剤やオレオレ詐欺くらいしか本当にシノギがないんです。 「イヤならヤクザをやめればいい」なんて、カンタンに言わないでくださいね。やめられるものなら、とっくにやめてます。やめたところで雇ってくれる人や、商売しようにも開業の資金を出してくれる人なんかいませんよ。 せやから仕方なくシャブを売っている人も多いんですが、前科があると海外に渡航できないこともあり、カタギに運び屋をさせることもあるのです。今回はそういうケースでしょうね。 なんでカタギなのにシャブを運ぶの……? と思われる方もいらっしゃるでしょう。 実は、ひたすらシャブを運ぶだけの「運び屋」には、カタギの人も結構いてるんです。今回の夫婦も「運んでもらうだけでええから」とか「子どもも連れて行けば怪しまれないから」とか言われて、これまでに6回成功していて、1回につき400万〜1000万円の“報酬”を得ていたそうです。それだけ聞けばワリのいいバイトみたいですが、今回の逮捕で長期拘留されたりしたら、つまんない人生と思いますよ。お子さんたちとも会えなくなるかもしれません。 ■運び屋もいろいろ売人もいろいろ もうだいぶ前に亡くなりましたが、普通のおばあちゃんで、ひたすらシャブを運んでる方もいてました。ギョーカイではかなり有名でした。あと、やっぱり亡くなっていますが、別の運び屋のオッサンは「芸能人御用達」で、あの尾○豊にも運んだと豪語していたそうです。確かめようにも、もうこの世にいないのでアレですが。「伝説」によると、自転車でフツーに郵便受けとかに入れていたそうです。 私の経験から言うても、「見るからにコワいヤクザ」より、こういう「普通な」運び屋さんとかのほうがわかりにくい分コワいと思います。あなたの隣にもそんな人がいてるかもしれませんよ? 中野瑠美(なかの・るみ) 1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)」 ※この連載が本になります! 『女子刑務所ライフ!』(イースト・プレス)5月17日発売 最終更新:2018/04/29 16:00 Amazon 女子刑務所ライフ! 子どもとペットの今後が心配 関連記事 「私も脱走を考えた」元女囚が語る、愛媛の刑務所脱走事件が起こったワケ女囚たちの涙ぐましい“刑務所グルメ”――コーヒーの代わりに「痔の薬」を……「アカオチ」「M浴」「セッケン禁止」……元女囚が教える“役に立たないムショ用語講座”ASKAの更生に必要なのはアレ! シャブ地獄から生還した元女囚が語る「更生への道」元女囚が語る刑務官への「お礼参り」――子どもをさらって「鬼の子」と刺青! 次の記事 B少年に不覚にも萌えるJr動画 >