仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

ハリセンボン・近藤春菜、「春菜会は全おごり」報道に見る“オンナ友達内の上下関係”

2018/04/12 21:00
2016harisenharuna
「春菜会」の現実とは……?

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「おごってもらえるし」ハリセンボン・近藤春菜
『踊る!さんま御殿』(日本テレビ系、4月10日)

 ハリセンボン・近藤春菜に年齢を尋ね、春菜が実年齢を答えると「平均寿命を超えてるね」と返し、春菜が「ブタじゃねーよ」と畳みかけるネタを見たことのある人は多いだろう。春菜と同じような体形でも、このようなネタを披露するオトコ芸人も、またこういったイジられ方をするオトコ芸人もいない。やはり、女性の容姿というのは、よくも悪くも男性の関心を引くものなのだろう。

 スタイルが良くなかったり、顔のパーツが整っていない、はっきり言うと“ブス”を嫌うのは「男性である」と一般的に思われているのではないだろうか。バラエティでオンナ芸人をブスといじるのはオトコ芸人だし(オンナ芸人が、オトコを不細工いじりするのを私は見たことがない)、美人女優と結婚するオトコ芸人はいても、イケメン俳優と結婚するオンナ芸人がいないことは、「オトコのブス嫌い」を裏付ける証拠になり得る気はする。しかし、ブス扱いされているオンナ芸人も、恋愛や結婚をしていることから考えると、イケメン俳優ではないものの、彼女たちを好きになる男性はいると見ることもできるはずだ。

 ブスを心の底から見下しているのは、実は女性なのではないかと私は思っている。


 『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』という映画をご存じだろうか。高校時代のオンナ友達4人組の中で、一番太目で見た目の冴えない子の結婚が決まる。諸事情あって私生活が充実していない細身の3人娘は、激しく嫉妬。結婚式前夜、花嫁のサイズの大きいウェディングドレスで遊んでいた3人は、ドレスを破いてしまい、しまいには血液と精液で汚してしまう。明朝の結婚式までに、ドレスを直そうと、夜のニューヨークを走り回るというストーリーである。

 コメディという触れ込みだったものの、私にはまったく笑えなかった。友達の結婚を喜べないという経験は誰にでもあるだろうし、無理に喜ぶ必要はないわけだが、友達の結婚がうれしくないのと、ドレスを破る、汚すのはまったく次元の違う話である。主人公は結婚が決まったからといってマウンティングをしたりしていない。にもかかわらず、3人娘たちが激しく嫉妬するのは、単に主人公を日頃から見下しているから。その理由は、主人公の外見が3人より劣る、つまりブスだからだろう。

 これは創作の世界だけの話ではないと思う。昨年放送された『ボクらの時代』(フジテレビ系)に、ブルゾンちえみと女優・水川あさみ、桐谷美玲が出演した時のこと。3人はドラマ『人は見た目が100パーセント』(同)で共演してから“仲良し”というが、私にはそうは見えなかった。

 この番組は、ゲストが会場に着席するところから始まる。しかし、さっさと席に座るのはブルゾンだけで、水川と桐谷は腕を組んで、彼女を見てクスクス笑っていた。ブルゾンは「いつものけ者にする」と言っていたけれど、それが“仲良し”のすることなのか、疑問である。

 鼎談中も熱く語るブルゾンに対して、水川・桐谷は「ふーん」という興味なさそうに相槌をするばかり。また水川は、桐谷を「美玲ちゃん」と呼んでいる一方、なぜかブルゾンは呼び捨てである。女優の後輩はちゃん付けで、お笑い芸人は呼び捨て。これって、やはりブルゾンを見下しているということではないだろうか。


人は見た目が100パーセント(1) (BE・LOVEコミックス)