サイゾーウーマンコラム知られざる女子刑務所ライフ元女囚が教える“ムショ用語講座” コラム 知られざる女子刑務所ライフ34 「アカオチ」「M浴」「セッケン禁止」……元女囚が教える“役に立たないムショ用語講座” 2018/03/18 16:00 知られざる女子刑務所ライフ Photo by Horia Varlan from Flickr 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。 ■カタギには通じないムショ用語 「『懲役』って、『受刑者』という意味ですか?」 編集者さんからこう聞かれて、初めて気づきました(笑)。これは常識だろうと思ってましたが、違うんですね。「懲役」とは、「刑事施設に拘置して所定の作業を行わせる」(刑法第12条の2)ことです。「ヒト」やなくて、「作業をさせること」なんですね。でも、不良の間では「チョーエキ」言うたら、受刑中の人です。何でも勉強ですねえ。 思えば、カタギには通じないムショ用語、結構あります。刑が確定して既決囚になることを「アカオチ」と言います。昔の囚人は赤い着物を着せられたそうで、刑務所に落ちることを「赤落ち」と表現したんですね。ちなみに「白い着物」は亡くなることです。これはヤクザ用語ですかね。 あと「銀シャリ」は、昭和生まれには通じるかもしれませんが、「バクシャリ」は言いませんよね、きっと。「バク」とは麦のこと。ムショではバクシャリがキホンです。シャリとは、もともとお米を指しますが、おしるこやぜんざいのような甘いものを、ムショでは「甘シャリ」といい、麺類を「長シャリ」といいます。こういうのは、女子はあまり使わないですかねー。ちなみに女子刑務所で「ピンシャリ」というとオ○ニーです。男子は「アタリ」といいます。語源は……ナイショ。 そして、人の食べ物を取り上げるイジワルを「シャリ上げ」と言います。もちろんバレれば懲罰です。昔は強い人に食べ物をあげて取り入るのも横行していたので、食べ物のやりとりは、あげる方も懲罰の対象になります。 ほかには私語を「アゴ」や「ペラ」、手紙は「ガテ」、見張りは「シキテン」、メモや伝言などをこっそり渡すことは「ハト」といいます。アゴは口に近いですし、ペラペラしゃべることにも通じているから、なんとなくわかりますよね。不良は略したり、逆さに読むことも多いので、ガテもなんとなくおわかりでしょうか。ハトは伝書鳩からきているようです。でもシキテンて……。何でしょうね。元は警察用語らしいです。 次のページ 「M浴」は女子刑務所独自の用語 12次のページ Amazon サトウのごはん 銀シャリ 200g×20個 関連記事 ASKAの更生に必要なのはアレ! シャブ地獄から生還した元女囚が語る「更生への道」元女囚が語る刑務官への「お礼参り」――子どもをさらって「鬼の子」と刺青! 取り調べ刑事に恋してウソの自白!? 元女囚が語る、ムショ仲間だった元看護助手の素顔「大麻はシャブより怖い」と元女囚が警告! そして一番“廃人率”が高いのはアレ!覚せい剤使用・密売で服役した元女囚が振り返る「薬物で逮捕された有名人2017」