「食事が菓子パンに」「一家3人で遠征」アイドルオタ夫婦2組が語る、“うちのヲタ活”
30~40代のアイドルや既婚のアイドルも珍しくなくなった昨今。ではアイドルオタクが結婚し、家庭を持つとどうなるのか? 今回は話題のコミックエッセイ『ヲタ夫婦: アイドルヲタクな2人はこうして結婚できました。』(出版ワークス)の作者・藍さん&“ヲタ夫”さん夫妻と、サイゾーウーマンの名物連載「ジャニーズツッコミ道場」を担当する太田サトルさん&田幸和歌子さん夫妻が、アイドルヲタクのリアルな夫婦生活について話します。
【座談会出席者】
◎藍さん……マンガ家。『ヲタ夫婦』『ミリオンドール』(アース・スターエンターテイメント、既刊2巻)等、アイドルやオタクをテーマにした漫画を執筆している。イチ推しアイドルは小林晏夕(東京パフォーマンスドール、以下TPD)。90年代女性声優から入り、高橋愛(元モーニング娘。)や松浦亜弥ほかハロプロ系、AKB48を経て、現在はライブアイドル(地下アイドル)まで、幅広く愛する。
◎ヲタ夫さん……35歳の会社員。UNDER17・桃井はるこや田村ゆかり、新谷良子など声優を経て、長野県のご当地アイドル・オトメコーポレーション、BiS、そして現在は元BiSのヒラノノゾミが所属するBILLIE IDLE(R)に夢中。
◎太田サトルさん……ライター。「週刊朝日」(朝日新聞出版)やWebの「AERAdot.」「エキサイトニュース」などでエンタメ系のコラムやニュース、インタビューなどを執筆。ジャニーズ事情に詳しくJr.の若手ユニットまでをウォッチ。
◎田幸和歌子さん……ライター。著書に『KinKi Kids おわりなき道』(アールズ出版)『Hey! Say! JUMP 9つのトビラが開くとき』(同)『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)など。ジャニオタ歴が長く、太田さんと同じくベテランからJr.のユニットまでを愛する。
急に「お金がない」と言い出して、食事が菓子パンに
――今日はアイドルヲタ夫婦2組に集まっていただいたので、まずヲタ夫婦であるメリット、デメリットを聞かせてください。
太田 メリットと言えば、うちはライブとかに夫婦セットで行くんですよ。別々の現場というのがほぼない。
田幸 だから藍さんのマンガを拝見して、「夫婦でも全然楽しみ方が違うんだ!?」って思いました。
藍 うちは全然一緒には行かないですね。特に解散前のBiSのライブって、すごく過酷な印象が強かったんですよ。
ヲタ夫 昔ライブに通ってた頃は、会場はヲタクの汗で水びたしで。ライブ終わったらTシャツやジーンズが絞れるくらい、汗をかいてましたから。
藍 夫がライブから帰ってくると常に傷だらけでした。推してるグループや人気度が違うと、チケットの取り方なんかも全然違うんですよ。私が通ってるグループは、すぐにチケットは売り切れないから、当日でも買えたりするんです。でも、当時のBiSは最初にツアーの日程が発表されたら、とりあえず全部押さえておかないと売り切れちゃうそうでした。そうすると、当日軽い気持ちで同行して2人一緒に行くという選択肢も消えますね。
田幸 イベントやライブでは、遠征もありですか?
ヲタ夫 ですね。
藍 うちの夫婦はデメリットというか、そもそも同じアイドルでも現場の種類がまったく違うので、好みは合わないながらも共通言語を探して楽しんでるところがあります。「お互いの戦場で頑張ろう」みたいな(笑)。
田幸 マンガで描かれていたのは恋人時代のエピソードが中心ですけど、その頃と夫婦になってからで一番違うのって、お金の面だと思うんですよ。ヲタ活動費をどうされてるのか気になるんですが、お財布は基本別々ですか?
藍 基本は別なんですけど、私は結婚後から漫画家を始めて、不安定な仕事になったので、どうしてもヲタ夫の安定した収入が家計を支える形になるんですね。そうなると、「財布が別」は独身時代は良かったけど、結婚してから急に不安が出てきて。アイドルにつぎ込んでるのは今まで通りなのですが、急に「お金がない」とか言い出して、食事が菓子パンになったりすると……。
ヲタ夫 うふふ。お互いがどのくらい使ってるかは把握してないですね。
藍 今は私の仕事が忙しくなって、私自身はそんなにアイドルにつぎ込む機会がなくなっちゃったんですけど、ヲタ夫が推してたBiSは、急に高額なプレミアムチケットを売り始めたりして、まとまって使う機会が多いかもしれませんね。
ヲタ夫 今推しているBILLIE IDLE(R)も、初年度のFC入会費が3万円でしたね。