キムタク以上に視線集中

『A LIFE』、浅野忠信だけ「空気感が違う」の声……業界も「謎が残る起用」「狙いが不明」

2017/02/21 18:00
 

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 木村拓哉主演の『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)の第6話が2月19日に放送され、平均視聴率は15.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と自己最高をマークしたことがわかった。キムタクドラマとしては、数字が振るわないことが放送開始時から話題になっていたが、それ以上に物議を醸しているのが、そのストーリーや人物設定だという。

「『どうして心臓外科医が脳腫瘍手術をするのか』『あんな色黒の医師なんていない』といった、キムタク演じる沖田一光に対する批判や、『菜々緒が弁護士に見えない』など大小にわたりツッコミポイントは際限がありません」(芸能ライター)


 そんな『A LIFE』にまつわる「疑問」の中で、一部視聴者から言われ続けているのが、浅野忠信のキャスティングだという。浅野演じる壇上壮大は、幼なじみの外科医である沖田に嫉妬し、彼をかつて海外へ追い出した過去がある。その後、副院長としての経営手腕が院長・壇上虎之介(柄本明)に見込まれ、跡取り娘・深冬(竹内結子)と結婚。婿養子の座に就いた。

「こうしたキャラクター造形を見る限り、厳格でクールな性格の人物に思えますが、劇中ではむしろ、クールとは真逆の感情的な男に仕上がっています。公式ホームページには、『野心と幼馴染の沖田に対する嫉妬心を隠し持っている』とありますが、『隠し持って』いるどころか、常にいら立ち、怒り、そうでなくても体から感情が滲みでてしまっている。しかも、声もドスが利いていて、どう見ても大病院の副院長としての風格にそぐわないところがあります」(同)

 さらにはこんな声もある。ドラマのオープニングタイトルで登場してくる浅野だけ「どこか空気感が違う印象がある」というものだ。

「それはやはり、テレビドラマで見慣れていないせいかもしれません。俳優デビュー30年、映画は国内外合わせると約90本もの出演を重ねている彼ですが、テレビドラマへの露出はわずか20本。彼がいかに映画に比重を置いてきたかがわかります」(同)

 浅野は、かつてインタビューでテレビドラマと自身の相性についてこう語っていた。「テレビはシステムに縛られて撮影している感じがして、撮って放映されて、また撮ってすぐ放映されてというサイクルが自分に合わなかったんですよね」。一方で映画は、「感情的につくる印象が強かった」と、自分の肌に合うことも明かしている。


 そんなふうに、長らく映画畑で活躍してきた浅野に、今回出演をオファーした狙いとは何なのだろうか。さる業界関係者は、「狙いが少し見えにくい」と語る。

「キャスティングには2通りのアプローチがあります。1つは、俳優の従来のイメージを踏襲した役柄と、もう1つは、定着したイメージを打ち破るもの。では、今回の浅野について、演出陣やプロデューサー陣がどういった勝算を見いだしたのか謎が残ります。『あの浅野忠信がテレビドラマに出ている!』といった話題性も、思ったほどありませんし」(同・業界関係者)

 では一体、誰なら「野心と幼馴染の沖田に対する嫉妬心」を抱える壮大役が適役だったのだろうか?

「昨年、クランクイン前に聞こえてきた、江口洋介にオファーしたものの断られたという情報がありましたが、確かに江口だったらうまくハマったでしょうね」(前出ライター)

 ただし、当時の報道では、江口側にスタッフが打診した役どころは「副院長」ではなく、「病院長」だったとも伝えられている。だが、江口や、例えば上川隆也のような、クールなイメージが先行する俳優がキムタクのライバル役だったら、同作の世界観になじんでいたように思ってしまう。

 とはいえ、浅野が演じるそうしたクールとは言い難い存在感と過剰なまでに感情的な役どころも、「情緒不安定キャラ」「取り乱しすぎ」などと視聴者からツッコまれながら注目を集めているのも事実で、癖になっている視聴者が増えているようだ。残り数話の展開に期待しよう。
(後藤港)

最終更新:2017/02/21 18:00
浅野忠信 (幻冬舎文庫)
一人芝居「こんな副院長はイヤだ!」シリーズかな?