サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「婦人公論」で小保方連載スタート カルチャー [女性誌速攻レビュー]婦人公論1/24号 最強の“自分語り”降臨! 「婦人公論」小保方晴子氏の新連載に見る、完璧な自己プロデュース 2017/01/15 16:00 女性誌レビュー婦人公論 「婦人公論」1/24号(中央公論新社) 2017年最初の「婦人公論」(中央公論新社)、特集は「今年こそ幸福体質になる!」です。年始になると、うわごとのように「幸運体質」「福を招く体質」と言っている「婦人公論」ですが、なかなかその望みは達成されないよう。特集冒頭を飾るのは、登場するたびに負の爪痕を残していくことでおなじみの作家・曽野綾子センセイ。新年だからか、それとも年齢が綾子パワーを減退させているのか、今回はややおとなしめ。ただ、テレビで見たという「家でやることがないから毎日ゲーム喫茶で遊んでいる」親子を、「どんなに狭いおうちでも、毎日することがないなんてことはないでしょう。私だったら、どこかをぴかぴかに磨きます。(中略)その方は目的を持たずにいられるという才能を持った方なんですね」と、皮肉る元気はまだおありのようで安心しました。しかし曽野センセイ、それ本当にゲーム喫茶だった? ネットカフェでもゲーセンでもなく、ゲーム喫茶!? <トピックス> ◎特集 今年こそ幸福体質になる! ◎新連載 小保方晴子日記 ◎2017年「傾斜宮占い」運勢篇 ■「神様」便利に使われすぎ そんな曽野センセイ「幸運は与えられるものだから、当てにはしないこと」と前置きつつ、ご自身は、過去に初めて行ったマダガスカルのカジノで二度の大当たりをしたことを激白しています。そのとてつもない大金を元手に、海外で働くシスターたちを支援するNGO団体を立ち上げたというのですから、やはり幸運はデカイ肝に吸い寄せられるのだなぁと痛感。「普通、神様は教会にいらっしゃるけど、私の場合はカジノにもいらっしゃった」とは、名文ですわ。 しかし誰しもが曽野センセイのような鬼のバイタリティを持っているわけではなく、大抵の方は、ささやかなハッピーでもいいから引き寄せたいと考えているのではないでしょうか。「浸かってパワーチャージ 吉方位の温泉で“ツキ”を得る!」「『ポジティブ変換言葉』で、いつも気分上々に」etc……すぐマネできそうな体質改善プログラムが今号に並んでいます。 その中でひときわ目を引いた企画がこちら、「みるみるうちに人生が好転する『神様ごはん』のつくり方」です。登場するのは「『食を変えると人生が変わる』ことを会得し、『声なき声を聞き、香りなき香りを聞く』ゆにわ流を確立」したという「開運料理人」。この方が「運を巡らせるための食のルール5カ条」について語っているのですが、開運というよりほぼ宗教。「縁あって私のもとに届いた食材に感謝を捧げ、丁寧に扱うのが流儀。そして、食べる人が心から喜んでくれる姿をイメージしながら料理をするのです。私はこれを『神様ごはん』と呼んでいます」「ざわざわした気持ちで料理をすると、食べた人にもそれが伝染します。(中略)私たちはそれを『毒』と呼んでいるのです」。多くの主婦たちが、この開運料理人が作る料理を食べ「私は間違っていました!!」と、イヤイヤおさんどんしていた自分を反省し、“神様ごはん”信者になっていくようです。 「水で研ぐ前のお米に手を合わせる」「ごはんを炊く際も、必ず『このごはんが食べる人の力になりますように』と祈りを」「炊飯器で炊く場合も『気』を込めてスイッチを入れる」など、誌面は「気」と「感謝」のオンパレード。365日3食ごはんを作っていたら、そりゃ絶望的な気持ちになることもございましょうや。こういう料理への過大な“意味づけ”が、かえって主婦を追い詰めていくとしたら、やっぱ神様っていけずですね。 次のページ 満を持して小保方晴子降臨 12次のページ Amazon 婦人公論 2017年 1/24 号 [雑誌] 関連記事 「婦人公論」の老後資金特集、キリギリスに優越感を抱くアリのコツコツ節約「結婚話にはのっておく」「近所に親友を」、「婦人公論」の長寿企画で先輩からガチなアドバイスサバサバした人間関係は寂しさしかもたらさない……「婦人公論」で60代作家が漏らす切実な本音毒母問題において母娘が“共犯関係”になる理由を、「婦人公論」の特集に見た「婦人公論」読者の不倫への言い訳にも防止策にもなる、「女がセックスしがたるなんて」という自縛