サイゾーウーマンカルチャーインタビュー日本を脱出しタイで経営者になった女性 カルチャー 【連載】日本を捨てる女性たち 「日本が一番だと思っていたけれど、実はそうでもない」日本を脱出し、タイでデザイン会社を経営する女性 2016/12/17 15:00 インタビュー ■日本が一番だと思っていたけれど、実はそうでもない 金野さん(中央)と共に働くタイ人スタッフも女性 金野さんが住むのは、オフィスから2キロほど離れた下町にあるマンションだ。近くには市場があり、朝から晩まで庶民の活気であふれる。大きなリビングとベッドルーム、キッチンがあり、50平米で家賃は1万3,000バーツ(約4万2,000円)。 「引っ越してきたばかりで、まずは近所の屋台の位置を把握することから始めてます」 タイでは、テレビや冷蔵庫、ベッドやエアコン、ソファなど、家具はすべて備え付け、敷金・礼金はなく、日本人ならパスポートひとつで契約できるので、引っ越しが簡単だ。家賃2~3カ月分のデポジットは前払いだが、これも退去時に返却される。居住者専用プールのほか、掃除や洗濯をしてくれるお手伝いさん、警備員が常駐する、リーズナブルな物件も多い。そんな住環境の良さも、日本人にはありがたい。 「日本が一番だと思っていたけれど、実はそうでもないということを実感しています。日本にいるとわからないことを、こちらで勉強しています」 日々、重い荷に苦しむこともなく暮らしているからか、「タイにいる日本人は、みんな年より若く見える気がします。見た目と年齢が合わない(笑)」と金野さんは言う。たまに日本に帰国すると、知人たちの、特に30~40代の男性の老け方に驚くという。生活の疲れがにじむ。 「やはり日本人は、考えすぎなんだと思います。タイ人は何か問題が起きたときも、サヌック(楽しむ)の精神で当たっていく。それを学べたことは大きいと思います」 タイの居心地のよさの中で過ごす金野さんだが、この先の人生は、まだ未定。「あまり考えないようにしてます」という。「会社として、自分として、やりたいことを突き詰めていけたら。ここにいるかもしれないし、ほかの国にチャレンジするかもしれない。日本に帰るかもしれないけど、寒いし、重いしな~」そんなことを、笑いながら話してくれた。 選択の多様さと、生きやすさ。タイ生活は、人生にこの2つを与えてくれたと語る女性は多い。もちろん、いいことばかりではない。異国での暮らしは、ときに困難で、厳しい。それでも、新しい価値観や、違う生き方を求めるなら、アジアに飛び出してみるのも、ひとつの選択肢だと思う。日本で社会経験のある人なら、現地でもきっと居場所は見つかるだろう。 (室橋裕和) 前のページ1234 最終更新:2016/12/17 15:00 Amazon タイとビジネスをするための鉄則55 (アルク はたらく×英語シリーズ) 憧れのプールつきマンション! 関連記事 日本女性の社会進出を進めるためには? 女性管理職の割合が高いタイの社会環境から探る少なめの量も本場タイの屋台と一緒 マッサージやパブもある錦糸町の“リトルバンコク”映画『未来を花束にして』講演会で考えた、女性が活躍できない日本社会 「日本で報じられる印象と現地の状況は違う」 世界一周した女性医師が語る、一人旅の魅力と注意点空前の台湾ブームの背景とは? 初めてでも国内旅行の延長で楽しめる海外旅行の魅力 次の記事 シッターとデリヘル嬢の管理は一緒? >