[女性誌速攻レビュー]「AneCan」11月号

「ゼクシィ」化した結納ページ、読者がドヤ顔幸せ語り! ラスト2号「AneCan」の暴走

2016/11/05 17:00
anecan1611.jpg
「AneCan」11月号(小学館)

 来月号でフィナーレを迎える「AneCan」(小学館)11月号。連載・押切美道では、早くもラストに向けて最終コーナーを走り始めたようですよ。総集編の始まりです。樹木希林さんや瀬戸内寂聴さんらとの対談で、心に残った有り難い「金言」を紹介しています。でも、それらの言葉より、押切さんのフォトエッセイ集「心の言葉」の帯にある、「これまでの私の人生の、うまくいかなかったこと全部に『ありがとう』を言おう」の方がグッとくるよ~! 押切さん、結婚おめでとうございます! 来月の最終号では結婚報告する押切さんが見られるかな? 

 大好きな押切さんの話題はこの辺りで終わりにして、早速中身にいきましょう! 「“かわいい”だけから、“きれい”で“ちゃんとしてる”オトナへ… この秋“オトナデビュー”のススメ(ハート)」がテーマの今月号。はて、先月号では「自信をもてる“きれいめ服”で生きていく!」や「僕たちが『きれいめ彼女』を選んだ理由」などの企画を打ち出し、気づかぬうちに、“AneCan=きれいめ”という新定義を生み出していましたが、ここにきて従来の“AneCan=かわいい”にやっぱり逆戻り。読者を振り回す魔性の女、「AneCan」です。

<トピックス>
◎押切もえがこの10年、AneCanで出合った未来にもっていきたい言葉たち
◎2016年 今どき結納のホントのトコロ
◎プロポーズまでの50日 私が結婚を決めた理由

■セクシーなの? キュートなの?
 中を覗いてみると先月号同様、「きれいめ」と言いつつもブルゾンにレースがあしらわれていたり、サテン素材であったりと「かわいい」エッセンス混じりの「きれいめ」となっておりました。「かわいい」と「きれいめ」の間で揺れ動いてないで、もうきっぱり路線を決めい!

 先月号で有村実樹さんが、「(2年くらい前は)、AneCanという雑誌の方向性にスタッフもモデルもこれでいいのか…って悩んでいた時期でもあるよね。時代の流れと、読者の変化、モデルやスタッフの世代交代…」と言っていたように、これまでは「AneCan=華やかで可愛い。男受けを意識」だったものが、今は「女子受け」や「自分の加齢」、「時代の流れ」も意識しないといけなくなってしまったのです。男性も「可愛い女子」を連れて歩きたいという人ばかりでなく、対等な関係だったり、むしろ「かわいがられたい」という人も現れてきたはず。価値観の変化を乗りこなせなかった「AneCan」に、なんだかしんみり…。


『AneCan(アネキャン) 2016年 11 月号 [雑誌]』