サイゾーウーマンカルチャーインタビュー3万人と経験したAV女優のセックス観 カルチャー 【連載】ヤリマン女の性生活報告 「風俗を浮気と思わないでほしい」3万人と経験したAV女優のセックス観 2016/08/12 15:00 インタビューヤリマン 第1回 風俗嬢・AV女優 有奈めぐみ(後編) (前編はこちら) ■普通のお仕事の人たちの方が、1回のセックスへの思い入れは強い 自らの欲望を最優先するヤリマンの中にあっても、飛び抜けた経験人数を持つ有奈めぐみ。前編ではライフストーリーを綴ったが、後編では具体的に彼女のセックス観を探ってゆきたい。それがわかりやすいのは、“ソープランドでは働けなかった”というエピソードだ。彼女いわく、セックス(本番)を仕事にすることだけは受け付けなかったという。 「“誰とでもできるんだから”って思って、20歳の時にソープランドに挑戦してみたら、ダメでしたね。仕事の内容も違うし、すぐ音を上げてヘルスに戻りました」 ――非本番風俗と、何が違うんですか? 「ソープランドにいたら、全員とヤラなきゃいけない。乱暴な客でもなんでも。それが苦痛だったし、私は選択権が自分にあるのがいいんだと思う」 ヤる、ヤラないは自分次第。「父親の所有物だった」という嫌悪感が根底にあるからなのか、彼女は男に所有されることを徹底して嫌う。そして、彼女をはじめとした《捕食者としてのヤリマン》の象徴的なスタイルとして、“同じ人と2回セックスしない”という法則がある。“誰とでもセックスする”というのは、1回目に限っての話。つまり、「恐ろしく1回目のハードルが低い」というのが《捕食者としてのヤリマンの条件》と言ってもいいだろう。 たとえば、今回の有奈の場合、「2回セックスするのは、全体で2割くらい」とのこと。1回目のセッションでヤリマンのお気に召された男だけが、2回目へと進んでゆけるのだ。その意味でいうと、1回目のセックスは顔見せであり、テストであり、試食である。選択権は、はっきりと女性の側にある。 「私たちのような人より、普通のお仕事の人たちの方が、1回のセックスへの思い入れは強いと思う。風俗に来る普通の人たちっていうのは、そこですごい求めるものがあるよね。どうしても、ストレスのはけ口をセックスに求める。私は“あれしてくれ”“これしてくれ”って自分の欲求を言わないで、相手のことを品定めする。私のように風俗嬢とかヤリマンだと、数も見てきてるし、“別に今言わなくても、次の人で当たればいいな”って思う」 彼女のようなヤリマンからすれば、目の前の相手に求めなくても、それを実現できるほかの誰かがすぐにやってくるのだ。全ての男は、彼女の女性器へ向かうベルトコンベアの上に載っているという感覚といおうか、それは男性を個体ではなく、総体で考えているともいえる。果たして、そこまで達観していて、セックスを楽しめるのだろうか? 「もちろん、セックスは今でも楽しいですよ。“全部を求めない”っていうのは相手にであって、自分は手を抜かないですよ。でも、ハプバーや乱交の時は手を抜くかな」 123次のページ Amazon 職業としてのAV女優 (幻冬舎新書) 関連記事 “性”潔癖症がAVエキストラに――撮影現場を通して見えた“男に消費される”嫌悪感の正体 昭和19年生まれ・古希の熟女AV女優に聞いた、高齢者の性欲と性風俗の現場“男性のAV女優”大島薫が語るセックス観に感じた、“ボクらしく”という自由「日経記者なのに元AV女優」鈴木涼美が語る“夜のオネエサン”へのレッテルと、キャラとしての私エロメン、性器美容、春画――2010年代、オンナたちの“セックスカルチャー”5大トピック