サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「Gina」が危険な「ar」路線になる? カルチャー [女性誌速攻レビュー]「Gina」10月号 「Gina」、「ar」路線に一直線? 飛び交う「おフェロ、母性、色気」ワードに胸騒ぎ 2015/09/27 20:00 女性誌速攻レビューGina 「Gina」(ぶんか社)10月号 今まで、オシャレな生き方をすることにストイックに励み、モテや結婚願望なんて少しも臭わせてこなかった「Gina」(ぶんか社)。が、先月号の赤裸裸企画「やっぱりわたしたち結婚したい!」で押さえ込んでいた欲望が、一気に噴出したのでしょうか? 「溢れんばかりのフェロモンがムンムン」や「アウターの中はおフェロトップスでドキッ(ハート)」といった言葉がさりげなくファッションページに添えられていたりと、今月号は欲望がムンムン♪ その欲望はメイクやライフスタイルにまで変化を及ぼしています。「感度高めな○○で……」といったフレーズが多めだったメイク企画が、今回は「モテたいなら『河北メイク論』!」という「モテ」方向の小ネタもチラホラ。旅行(ハワイではなくてNYというこだわり)や珈琲屋さん、インテリアショップ巡りの話題が大好物だったのに、「これが人妻の色気なのか? はたまた偉大なる母性?」といったリードのもと、ファミリーの話題もあったりと変化がここそこに確認できます。これからは「ar」系を目指すのですかね……? ちょっとした舵取りの失敗で沈んでしまうことが多い最近の雑誌業界。どうなる、そしてどこへ向かっているの、「Gina」! <トピックス> ◎今知りたいデニムのこと全部! ◎やっぱり“黒”が相棒です!! ◎シーン別女子会ホムパレシピ ■色気、セクシー強調の魂胆はなんだ!? 「やっぱり黒が相棒です!!」とカバーにデカデカと書かれた今月号。他雑誌では今年の秋はキャメルを推してるのをよく見ましたが、「Gina」は違うよう。「トレンドキーワードが飛び交って、目指すべきものが何か見失っていませんか?」とまで言って、黒を推しています。この芯のブレなさは「Gina」のキャッチコピー「カッコイイね! が褒め言葉」を体現していますね! しかしながら、このファッションページにもモテ・男目線の余波が押し寄せているのを見逃しませんでしたよ。 まず、黒ファッションのキャッチを見ると「黒ライダーズ×Iラインワンピ こなれ感を漂わせて」「黒ニット×ワイドパンツ ハンサムウーマンを気取って」とか、「シルバークラッチをチョイスして、感度の良さを高めましょう」など、今まで通りの「Gina」の雰囲気です。「こなれ感」に「感度の良さ」、「Gina」で繰り返し説かれてきたファッション要点です。うん、方向性は見失ってないね! だけど、テーマが黒からカーキになった途端、雲行きが不安な展開に……。「男勝りなカーキは女っぽい黒を足す」という言い訳のもと、「デコルテ見せで女っぷりUP」「Vネックで胸見せ」「スキニーでライン強調」などなど、とにかく女を前面に出して主張しているものをさりげなく投入してきます。ヘルシーな色気やセクシーさを出すのに必須とのことです。でも今までだったら、カーキ=メンズフレーバーをMIX、だったじゃないか! 突如、MIXする商品を色気に変えてくるなんて、しかもさりげなく2ページだけ……。読者の反応を見ているのでしょうか? だったら筆者は迷わず、色気売りのファッションを「嫌いなコーディネート」に投票したいです! 「Gina」ガールの考える「なりたい自分」とは「ブレないタフさとしなやかな女らしさ、新しいものにトライできるマインドを持った“カッコイイ女”」とのことで、ここでの「新しいものにトライ」は、モテや結婚のようです。でも、トライしてる内容をチラ見せしてくる割に大きな企画にはしてこない姿勢……。「Gina」もこの方向性があってるのか迷ってるみたいです。 12次のページ Amazon 『Gina 2015年 10月号 [雑誌]』 関連記事 “カッコいい女子”代表「Gina」が「結婚したい」と叫んだ! 「外見よりも経済力」の本音海外モデル信仰が病の域! 「Gina」の“外国人コスプレ”=オシャレの価値観に見る限界既婚、子持ち、独身、仕事アリ――「Gina」の無邪気に残酷なオシャレ女子のヒエラルキーオシャレ・マウンティング命の「Gina」が掲げる“イイ女”って、結局は旦那・子持ち!?「Gina」のオシャレ原理主義の弱点は男!? ヘソを出しつつ“政治家ウケ”を狙う二枚舌