コラム
[連載]安彦麻理絵&田房永子「オンナの絵日記」

「子を殺しちゃいそうになる」のはヤバイ? 安彦×田房の「出産した女は菩薩ではない」

2015/08/10 21:00

 で、犬のおかげで、子どもが可愛く見えることが増えたんですよ。先日も、子どもが犬にコソコソ何か話しかけてて、「何しゃべってたの?」って聞いたら「きのう保育園でおねしょしちゃったことを太郎に話してたの」なんて言われた日には…………ああああーかわいいじゃねーか、おめー!!! って、胸がギューっとなりましたね。

 夜、寝てる時もまぁ、子どもの寝顔かわいーとかそりゃ人並みに思いますけど、これが犬とセットで寝てたりすると……途端に子どもの可愛さ倍増!! そしてその犬が、腹出してひっくり返って、オバケポーズで子どもらと寝てたりしたら、もう!! 悶絶しそうになりますね、可愛すぎて!! 「子どもと犬、どっちが可愛いんだよ!!」って突っ込まれそうですが……正直、癒やされるのは犬です。よく、保育園でも「大変じゃないの?」って聞かれるんですが、犬、大変じゃないですよ。こっちがキッチリ、ドSになってリーダーの実権握ってれば、犬はちゃんと応えてくれます。だからウチは、犬の方が手がかからない。子どもらの方が犬以下!!

 犬は私の作るご飯、何でも喜んで完食するから作りがいあります。けど、子どもはこうはいかない。「なんでパンじゃないんだよー!!」「こんなの食べたくない!!」ってもう、テーブルひっくり返したくなること多数。「オメーらにはもう、メシなんて作んねぇ!!!」って、ブチキレてますからね、どおくまんの漫画に出てくるキャラみたいな顔で。

 それで先日、犬も連れて箱根にみんなで1泊してきたんですよ。私、子どもとの外出、ほんっっと苦手なんですが(……だってやっぱり大変で……)、でも、今回の旅行で私、ブチギレなかったんですよ。それもこれも全てやっぱり、犬のおかげ。子どもらが犬とバンガローではしゃいでたり、一緒にベッドで寝てたりしてんの見て、ほんと可愛いもんだって思ってた。丸二日、ずーっと犬のリード握りしめてて、すごい幸せだったんですね、私。

 そんなわけで、最近、つくづく思うようになりました。「いいお母さん目指すんじゃなくて、おもしろいお母さん目指した方がいいんじゃないか」と。多分私、言いたいこと、言いたい放題言ってる人、って思われてるかもしれないんですが、そんなことないんです。テーマが「母親」ってなっちゃうと、途端に言えないこと、多いんですよ。

 結局、「そんなんじゃ子どもが可哀想でしょ!!」って正論向けて来る人たちが、やっぱりコワイんです。よく巷で、「いいお母さんなんて目指さなくていいから」って聞きますけど、「じゃあ、どんなお母さん目指しゃいいの?」って思ってました。で、最近思うのが「おもしろいお母さん」。

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