サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビューポエム連発「美人百花」の不可思議な点 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「美人百花」3月号 「優しい春の魔法にかかったみたい」春ポエム連発、「美人百花」の不可思議な点とは? 2015/03/03 19:00 女性誌速攻レビュー美人百花 「美人百花」2015年3月号(角川春樹事務所) 「美人百花」(角川春樹事務所)のレビューを初めて2号目になりました。まだまだ、この雑誌がどういうものなのか、新鮮な驚きが多いのですが、今月気づいたのは、この雑誌は結構「ポエム」が多いということです。 例えば、AKB48・小嶋陽菜さんがモデルの「レディに“色”めく春の私(ハート)」というページでは、「お散歩するだけでなんだかウキウキ(ハート)ふんわり優しい春の魔法にかかったみたい!」「オーダーはいつものラテ。季節がもう少し進むまで、この温かさを楽しみたいの」「今日のマカロンはレモン味。甘酸っぱいこのテイスト、恋する気持ちに似てるかも!?」と、一場面ごとにポエムが散りばめられています。 去年あたり、夢や希望、笑顔といった“ポエム”が日本社会に蔓延していることを指す「ポエム化する社会」という言葉をよく目にしましたが、「美人百花」のポエムはどちらかというと、80年代のアイドルソングの歌詞のようですし、清里のペンションやファンシーショップのようなメルヘンさが漂っています。世知辛い現代に、気分だけでも花を咲かせようということなのでしょうか。タイトルにも「花」がつくし、假屋崎省吾さんによる「花」の連載もありますし、この本と「花」は切ってもきれないのでしょう。 <トピック> ◎レディに“色めく”春の私(ハート) ◎春を待つウキウキはシースルーが連れてくる(ハート) ◎アラサー美人の流行まとめ ■春、春、春が攻めてきた! 今月の「美人百花」は「春」が全体を通してのテーマとなっています。とにかく、「春を待つウキウキはシースルーが連れてくる」「春はすぐそこ!オシャレしなきゃ!」「春待ちコーデ100!」「タイツをはいても春めくオシャレ(ハート)」と、もう春、春、春のオンパレード。 もちろんほかの女性誌でも、春コーデを取り上げていますが、その比ではありません。なぜここまで「美人百花」は「春」押しなのか……。そこからは、「寒がりだから冬が嫌い」「春の暖かさに全身で喜ぶ」というどこか幼さの残る“女の子”像を感じます。女の子の季節=“春”を前面に押し出している気がします(ひな祭りもありますし)。 12次のページ Amazon 『美人百花(びじんひゃっか)2015年03月号 [雑誌]』 関連記事 コンサバもギャルも嫌!? 喧嘩上等の「美人百花」が抱える“美人”になり切れない葛藤アラサー向け「BAILA」に70万円のエルメスバッグ! 分不相応すぎる提案の意図とは?オシャレ・マウンティング命の「Gina」が掲げる“イイ女”って、結局は旦那・子持ち!?「25ans」の「少女マンガ顔メイク」がくだらなくて、楽しい!ド根性美容、尽くすダッチワイフ論、自己満足のバレンタイン……「ar」のモテ思考がツライ