サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビューポエム連発「美人百花」の不可思議な点 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「美人百花」3月号 「優しい春の魔法にかかったみたい」春ポエム連発、「美人百花」の不可思議な点とは? 2015/03/03 19:00 女性誌速攻レビュー美人百花 このご時世に、こんなに「女の子」であることや「春」の暖かさを信じられるって、ある意味幸せなことかもしれません。ただ、裏を返せば、現実をあんまり見たくないという「おめでたい」ところがあるのは……。でも、よく考えたら「ポエム化社会」が話題になったときも、「人々がつらい現実を見ないように、社会にポエムがあふれるようになったのでは」という説もありました。「美人百花」も、そういった理由から「ポエム」が多用される雑誌なのかもしれません。 ■誰のためのオシャレなのか? ただ、そんな一見夢見がちな「美人百花」も、「可愛くて甘いだけはそろそろ卒業」と、アラサーという自分の年齢については自覚しているようです。「アラサー美人の流行まとめ」というページでは、アラサー読者が最近ハマっている「清楚で知的な」ものを紹介しています。 誌面によると、「上品で知的で清楚に見えるから、パステルブルーのお洋服」を着たり、「和小物で奥ゆかしい女性」を演出したり、「髪色はマジメなダークカラーのストレート」を選ぶのが、アラサー美人の今の気分だそうです。また、美容に関しては「ナチュラル志向の“ありのまま美容”をはじめ」、「ヘルシーになるために自己投資してます」だとか。 こうした読者の興味のページを見ても、雑誌全体を見ても、やはり先月指摘したように、この雑誌には「恋愛」や「結婚」や「男」の影がほとんどありません。例えば、インタビューページだけでなく、着回しダイヤリーのようなフィクションのページにすら男性のモデルが出てこない。 かといって、雑誌「LARME」(徳間書店)のように、徹底的に“女の子だけ”の世界、“女の子だけ”の楽しみを見つけたいという潔さは感じません。実はどこか読者の価値の中に、「異性に見られること」が潜んでいる気配は確かにするのです。思っていたよりも、欲望の在り方が複雑な雑誌……それが「美人百花」であると気付きました。「美人百花」の隠された欲望とはなんなのか……次号も以降も探っていきましょう。 (柴朋美) 前のページ12 最終更新:2015/11/27 16:59 Amazon 『美人百花(びじんひゃっか)2015年03月号 [雑誌]』 男目線を気にしないふりは、やっぱり美人のプライド? 関連記事 コンサバもギャルも嫌!? 喧嘩上等の「美人百花」が抱える“美人”になり切れない葛藤アラサー向け「BAILA」に70万円のエルメスバッグ! 分不相応すぎる提案の意図とは?オシャレ・マウンティング命の「Gina」が掲げる“イイ女”って、結局は旦那・子持ち!?「25ans」の「少女マンガ顔メイク」がくだらなくて、楽しい!ド根性美容、尽くすダッチワイフ論、自己満足のバレンタイン……「ar」のモテ思考がツライ 次の記事 川崎中1殺害事件、報じる“視点の差” >