仁科友里の「女のためのテレビ深読み隔週報」

大渕愛子と西川史子――高収入女性タレントの再婚・離婚模様に見る“母との距離感”

2015/01/04 17:30
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大渕愛子オフィシャルブログより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「(金山一彦には)反論できない」大渕愛子
『有吉ゼミ年末総決算3時間スペシャル』(日本テレビ系、12月22日放送)

 「お母さんに婚活の進捗状況を報告してはいけない」と言うと、婚活中の女性はたいてい「どうしてダメなの?」と目を見開いて驚く。結婚するかどうか、最終判断はお母さんにしてもらうという女性も珍しくない。

 なぜ母親に婚活の話をしてはいけないか? それは、「条件」が増える一方だからである。母親たちは軽い気持ちで「え~、そんな人はお母さん嫌だわ」「もっと、○○な人にしなさいよ」と感想を述べる。単なるリアクションだが、娘側にとって母の言葉はダメ出しであり、「○○な人と結婚しなければならない」とすりこまれていく。母親と好みがまったく一緒、もしくは母親の気に入る人と結婚したいというタイプの女性であれば、問題ないが、多くの場合、「母と似ているが、やっぱり違う」のが娘である。なので、母の意見を聞いて婚活することは、母と娘、両方が気に入る人を選ぶということであり、難易度も2倍になる。

 あまりに母と娘の精神的距離が近いと、結婚や結婚生活の維持は難しいという具体例が、西川史子だ。「学校も仕事も全部母が決めた。初めて自分で決めたのが結婚で、それで失敗した」……今年の頭に離婚した際、西川はこう発言したが、これが典型的母子密着の形である。何が何でも医者になれと教育に自分の尊厳を賭けた母と、自分の意志を持たず、その命令を素直にきく優秀な娘が陥りがちな構図だ。


 そんな医師と同じく難関資格である司法試験を通った大渕愛子も、西川と同じパターンかと思っていた。しかし、実際はまったく違ったようだ。

 『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS系)で明かされたところによると、大渕は西川と同じく裕福な家庭に育ったが、西川が親の意向を汲む孝行娘であったのに対し、大渕は家族の「はみ出し者」だった。大渕はディスコで夜遊びをする「不良」であり、優等生で品行方正で両親からの信頼の厚い姉に「恥ずかしい」とよくそしられていたらしい。停学期間に見た映画を機に一念発起。弁護士になりたいという夢を抱くが、素行も偏差値も悪かったので、家族は誰も受かるわけがないと取り合わなかった。それから猛勉強して、大学在学時に司法試験に合格という偉業を達成する。20代で同僚の弁護士と結婚するが、料理が苦痛でたまらなかった大渕と、家庭的な女性であることを求める夫との間に距離ができて離婚となったそうだ。

『女盛りは、賞味期限が切れてから』