[女性誌速攻レビュー]「ar」10月号

酔っ払いメイクを推す「ar」の“かわいいのひとりよがり”感

2014/10/04 19:00

 なんだかとってもタイヘンそう……。外見もトークも似たようなモデル芸人の1人、中村アン。思わぬところで、マジな心境が垣間みられてしんみりしちゃいました。「めちゃくちゃ必死」、これが「中村アンのすべて」です。

■更年期のほてり、のぼせとは違うらしい

 今月号の「ar」で、どうしても気になって仕方がないことがあります。それはみんなが「酔っぱらいコント」みたいだということです! 表紙の上戸彩も、メイク企画も、赤いチークを塗り過ぎ。志村けんかカトちゃんか、というくらい鼻の上から目の周りから真っ赤っかです。

「ぽってり色づくほてりチーク」(グラビア「女のコENJOYなオシャレ道」)
「いつだって男子のハートをガシッとわしづかみしちゃうのは、ぷりっとジューシィで体温がムムンッと高そうな血色ガール」(タイアップ記事「血色ガールがひとりモテ」)
「上気しまくりチーク。鼻筋の上にもぼかすのぼせ風チークをベースに、目尻付近にもうひと赤み。このダメ押しでムンムン度が急上昇!」(メイク企画「小悪魔ムンムン顔を作りましょ!!!」)
「指でモワッとにじませてこもったフェロモンを表現」(同上)

 というわけで、当然ですが酔っぱらいを表現したわけではなく、「ほてり」「血色」「上気」を演出しているようですが、コレ、はやるんですかね。これで学校や職場に行ったら怒られそう。上戸彩もこのメイクでドラマ『昼顔』(フジテレビ系)に出ていたら、「ちょっとだけよ」「あんたも好きねぇ」みたいな世界観になったでしょうね。そもそもそんなに四六時中ムンムンほてっていたら、男はドン引きするのではないでしょうか。いつも正統派な「モテ」から遠ざかり、「女のコ」の世界だけで完結しているように見える「ar」。ひとり上手≒ひとりよがり≒ひとりぼっちってことなんですが……まあ、それも現代女子の生き方としてアリなのかもしれません。
(亀井百合子)


最終更新:2015/11/26 23:58
ar (アール) 2014年 10月号 [雑誌]
「ar」にはギャルほど好きなものに強くなれないジレンマも感じる