[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」9月7日号

「婦人公論」の“自信を育てる”特集で読者を励ます、田原俊彦の“超トシちゃん”な生き方

2014/09/04 15:30
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「婦人公論」(中央公論新社)9月7日号

 いよいよ公開となった、映画『ルパン三世』。キャスティングのゴタゴタで構想から発表まで4年の月日を費やしたこの大作、元祖実写版である『ルパン三世 念力珍作戦』(1974年公開)を超える作品となるか。かつて目黒祐樹が演じたルパン役を担う小栗旬が「婦人公論」にも登場。日本映画への熱い思いと、妻である山田優への感謝、そして生まれてくる子どもへの愛を語っています。

 女性関係がお盛んで、しばしば週刊誌を騒がせる小栗ですが、このインタビューでも「僕がルパンに似てるとこ? それは、圧倒的に女好きであること」と、しれっと断言。「でも、ルパンみたいに女のために命を懸けられるかと言えば、そこまでではない。女の人は大好きだけど、女の人より自分のほうがかわいいと思っているタイプだから」と徐々に論調を緩め、最終的には「僕自身、結婚して変わったというより、彼女に出会って徐々に変わっていきました」「(山田は)人に対する思いやりがすごくある人」「彼女の愛情の深さというか、愛情ってすごいなぁってことを感じながら4年間恋愛して結婚した」と怒涛の山田優ワッショイ。これは新しい謝罪のカタチ……? 褒め言葉は間接的に聞いたほうが数倍うれしいと言いますからね。こそばゆいほどの山田優アゲが「俺、これからもヤンチャしますから」宣言に聞こえなくもない小栗旬インタビュー、世のお父さん方ぜひとも参考になさってください!

<トピックス>
◎小栗旬 自分好きだった僕が、命を懸けるとき
◎特集 人生を好転させる自信の育て方
◎宋美玄×黒羽幸宏 知らないのは親だけ――ネットでセックスを学ぶ少女たち

■そのときカズは……?

 さて、今号の特集は「人生を好転させる自信の育て方」です。自分を信じると書いて「自信」。あると思いたいけど、その根拠が見つからない。特に「婦人公論」世代は人生酸いも甘いも苦いも噛み分けた結果、自己評価が低めに固定されている方も多いのでは? この特集は新たな要因を獲得して自信をつけるというよりは、今あるものの見方を変えて自信を再発見する、いわばディスカバー自信キャンペーン。「そうだ、京都へ行こう」ならぬ「そうだ、自信を持とう」です。


 冒頭のインタビューは解剖学者の養老孟司氏。「『自信がある』とか『自信がない』とか、実は僕は考えたことも、意識したこともないのです。できることはできるし、できないことはできない。それだけです」と、のっけから読者を突き放します。いわく「自信とは関係なく、自分がどのくらいできるか・できないか、ちゃんと見えていればそれでいい」ということですが、でもそれが本当に難しいんです、先生……。解剖学者として、人生を終えた人たちを前にすると「死んでしまえばみんなこうなんだ」という感覚を覚えるんだそう。「正直、人生なんて、よかろうが悪かろうがたかが知れてる。悩んで、迷って、大いにあがいていいんです」。その中で「自分と折り合いをつけながら進んでいく」ことが肝要とのこと。

 この方はどのように「自分と折り合いをつけながら」抱きしめてTONIGHTしてきたのか……続いて紹介するのは、永遠のアイドル、いや永遠のトシちゃんこと、田原俊彦。インタビュー「僕ほど“トシちゃん”を好きな人間はいませんから」は、自信のある方もない方も、ぜひとも読んでいただきたいページです。

 最近テレビでそのブレない“トシちゃん”ぶりがウケて、「再ブレイク到来」と騒がれていますが、本人としては「全然実感がないんですよ。毎年6月に新曲をリリースするため、その時期は露出が増えるけど、それは今に始まったことではない」「『告知する情報もないのにテレビに出る必要はない』というスタンスは変えていません」と、相変わらずの超トシちゃんぶり。あの“ビッグ発言”から(芸能界的には)一気に奈落の底へ突き落とされた格好ですが、そのことを悔やむでも責めるでもなく「(マスコミ嫌いだった自分への)取材側の不満が、限界までふくれあがっていたんじゃないでしょうか」と冷静に分析しています。

婦人公論 2014年 9/7号 [雑誌]