サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「AneCan」読者とモデルの埋まらない溝 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「AneCan」9月号 “狙い通り”人生の「AneCan」モデルが説く、「周りと比べないで」文脈のトラップ 2014/08/21 21:00 女性誌速攻レビューAneCan ここまで行くと「かまってちゃんか、お前は!」と、大抵の芸能人の発言であればイラッとしますが、ここはリーダーマジック。なんだか母性本能がとめどもなく溢れ出てきて心配の2文字しか浮かんできません。優しく穏やかで余裕のある心、久しぶりに思い出しました。ありがとう、リーダー。はたして今月末の『24時間テレビ』で、「サライ」の歌に包まれて笑顔でゴールするリーダーと、迎えるメンバーの泣き笑い顔は見られるのでしょうか。非常に楽しみです! ■企画タイトルがすでに5段上から目線 専属モデル・鈴木サチのお悩み相談室「あなたにサチあれ!」。えぇえぇ。何も言えねぇって感じです。なぜ、サチさんなのでしょうか……。まずはその疑問から入ってしまいます。アネサー世代特有の悩みは、仕事関係はもちろんあるけれど、結婚・出産に関するものも出てきます。後者の悩みに対する回答者には、どうしても適任とは思えませんでした。34歳の鈴木さんは、すでに結婚、出産を経験していて、なんと、スイートマイホームまで(「あの人のお部屋が見たい!」に掲載されています。すごい素敵なお部屋です)持っていて、要は1段上がりを決め込んでる同世代者のポジション。いや、1段どころじゃなくて3段ですかね(旦那、子ども、家)。30代で起こると思われるイベント総嘗めですもの。もちろん、どのような状況の人にも、それぞれ悩みがあることはわかっているのですけど、なんだか相談への回答を読んでもピンとこず。どこか遠いです。 そんなサチさん、「周りがどんどん結婚&出産していて、このまま誰とも出会えなかったらと思うと不安でたまらないです。いったいどうしたらいいのでしょうか」という質問に、「周りと比べるのはやめましょう。本当にしたくなったら、自分から行動するはず。その時を待って」と答えます。周りと比べないこと。それが大切なことは、もう全国津々浦々のアネサー、痛いほどわかっています。だけど比べちゃうんですよ! ていうか、比べないで生きていける人は、こんなところにお悩み相談しませんから! 「AneCan」すら読みませんから! なぜこんな人を小馬鹿にした回答ができるのだろうと疑問を持ちつつ読み込んでいたら、この特集の下の方に、「サチの人生年表」を発見。そこには、「結婚を意識した矢先に、今の旦那様と出会いゴールイン」「狙いどおりの!? のタイミング(結婚から1年後)で、妊娠→出産(ハート)。」「ふたり目も、順調に妊娠し出産(その1年後)。みんなの支えに助けられ、産後3か月でモデルにカムバック」と記述が。そうでっか。自己体験から来る発言ですか……。何も言えねぇ! アネサー特有の同じ悩みや葛藤を抱えていそうな蛯原友里、高垣麗子、押切もえなど適任者がいっぱいいるのに。なぜサチさんだったのでしょう。女の本音がいつまでたっても見えてこない雑誌です。 (白熊春) 前のページ12 最終更新:2014/08/21 21:00 Amazon 『AneCan (アネキャン) 2014年 09月号 [雑誌]』 ファッションもライフスタイルもなにひとつ意志を持たない雑誌 関連記事 「AneCan」の卵子凍結特集、アラサー当事者をスルーした親の小言のような“正しさ”サイバーエージェント女子をモテ教祖に崇める「AneCan」の、モテへの内弁慶ぶり「AneCan」6月号 アラフォー突入の蛯原&押切を擁する「AneCan」、「若さ」自認がそろそろしんどい!普通の女の子100人の “運命的な愛”を特集した「AneCan」、プリンセス願望の根深さ浮かれテンションの「AneCan」が“最強にかわいい”と推奨する「ちゅん顔」って? 次の記事 TOKIO、初夏フェス舞台裏語る >