仁科友里の「女のためのテレビ深読み隔週報」

「乱れても吐かない」という泥酔スタイルに感じた、脊山麻理子の浅はかな優越感

2014/06/24 18:00
sekiyamamariko.jpg
『脊山麻理子/34 ~永遠の天然少女~』/イーネット・フロンティア

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「自分が好きな人間は、あんなことしないですよ」脊山麻理子
『ロンドンハーツ』(6月10日放送、テレビ朝日系)

 会社員の頃、「無類の酒好き」を自称する女性の先輩がいた。どんな風に泥酔したかを吹聴して回る。酒が飲めるとあれば、多くの女性が見向きもしない、おじさん飲み会にも参加。時々、持って帰られているといううわさも聞いた。しかし、不思議なことに、この先輩は女同士の飲み会ではほとんど飲まない。そんなことが何回か続き、「オトコ限定泥酔」とは、持ち帰られるための“手段”なのではないかと思うに至った。

 日本テレビ時代、天然キャラとして人気を博したものの、フリー転向後はぱっとせず、崖っぷち女子アナとしてバラエティに出ている脊山麻里子も、泥酔を“手段”とするタイプではないだろうか。脊山の仕事のなさは深刻で、今年の3月の給料は6万9,000円だったそうだ。

 女子アナは、テレビに映っている間は清純かつ品行方正を求められる。が、脊山は差別化を図るため、反対の路線を進む。最近はグラビアに挑戦、写真集の発売イベントでは、水着姿でマスコミの前に出るなど“女子アナらしからぬ”行動で話題を集めた。


 冒頭の「あんなこと」という言葉は、『櫻井有吉アブナイ夜会』(TBS系)において、脊山が飲み会で披露した泥酔のことであり、これもまた“女子アナらしくない”行動だろう。

 飲み会のメンバーはオネエの美容師とプロレスラーで、女性は脊山1人である。順調に杯を重ね、脊山は酔っぱらっていく。「暑い」と言って上着を脱いだ脊山の服装は、ノースリーブのミニドレス。肩のラインが透けたセクシーなものだった。会計時、脊山はプロレスラーに「お金がないの」と拝み、奢ってもらうことに成功。その後もガンガン飲み、カラオケの際には、オネエ美容師の膝の上に頭を乗せて脚を4の字に組むという醜態を見せる。プロレスラーがスカートの中を覗いていたのが印象的だった。

 脊山は「仕事がほしいから、泥酔というみっともない姿を披露した」と言うが、果たして泥酔姿をさらして仕事は増えるのか。真相は不明だが、1つ言えることは、脊山の泥酔は「男にとって都合がいい」ということである。

 脊山の泥酔は、吐いたりして迷惑をかけるわけではないキレイ系の泥酔だ。パンツだって見せてくれる。持ち帰りにこんな適した泥酔はなく、脊山が酔えば酔うほど男たちにはチャンスがある。世間的には「泥酔した女とそれに呆れながら付き合う男」という構図だろうが、脊山が美しい肢体を持っている以上、脊山が女王様で男たちはエサを待つ犬である。つまり泥酔することで、脊山は男より優位に立てるのだ。

『脊山麻理子/34 ~永遠の天然少女~ [DVD]』