角川慶子の「シロウトで保育園作りました」第63回

お受験はブランドに惑わされないで! 通学に1時間半かかる私立小を選んだワケ

2014/04/19 18:00
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入学式。お受験服+コサージュだけじゃ地味もいいところでした。とはいえ、学校によって差が出るところなので、無難にして様子見が一番です!

 我が子が小学校入学! 朝5時20分に起きてお弁当作り、娘は婿と6時15分に家を出て、1時間半(急行使用)かけて登校します。帰りは私が学校まで迎えに行きます。通学時間は負担ですが、娘は毎日「楽しかった!」と言って帰ってくるので、肉体的な負担より精神的な満足感が上回っているのかなと感じています。

 私も夜10時半には寝る生活で、超真面目な日々。寝る前に10歳下の盤麺(バンドのメンバー)のツイートを見るのが関の山で、遊びに行くなんて肉体的、精神的に無理になってきました。こうなったら娘をV系(ヴィジュアル系)好きにするしかないのかも(笑)。娘は音楽的にはシドが好きみたい(「レイン」という楽曲がアニメ『鋼の錬金術師』のオープニングテーマだったから)ですが、先日、私が好きな盤麺の画像を見せたら「結構かっこいいじゃん、ライブ行こうよ」とは言ってましたが……。

 もっと近くの、家から40分で着く学校にも合格したのですが、娘の希望でこの遠い学校に通うことにしました。通わせてみて気づいたのですが、保護者は「有名」「一流」で志望校を決めがちですが、子どもがどこに通いたいか、どの学校が合っているかの方が大事だと思います。年少ぐらいから学校見学に行ったり、体育祭に行ったりすると、子どもなりに「どの学校が好き」という意見が出てきます。好きな学校が決まったら、「あの学校に入るには○○しないと受からないよ」といった感じで、受験対策にうまく誘導していくといいのかもしれません。

 学校見学に行く前に、まずはデパートなどで催される私立小学校情報フェアに行けば、一度に多数の学校のお話が聞けるので無駄が省けます。角川家も高島屋で行われた私立小フェアがきっかけで、現在娘が通っている学校を詳しく知ることになり、気に入ったので翌週学校見学に行くことにしました。フェアにはその学校の先生がパンフレットを片手に学校の方針を話してくれるし、先生の人柄(私の場合はオーラ)がわかるので参考になります。半日掛けて学校見学に行って、「合わない」と気づくのは負担ですよね。働いていると半休や有休を使って、学校見学に行かないといけませんから。

 親の希望でどうしても「慶応幼稚舎を受けさせたい」「聖心を受けさせたい」というのであれば、受けないと後悔するので併願させた方がいいです(キッパリ)。幼児教室の調べで、平均併願数は4校だそうです。その場合、受ける学校の中で一番難しい学校の傾向と対策をやっているクラスを受講します。どの学校に行くかは、合格してから考えればOK。受かる前から悩むなんて、自信過剰です。小学校はゴールではありません。大学だって就職だってゴールではありません。有名小学校に行くよりも、生きる力を培ってくれる小学校に行くことが大切。その方が人生のゴール地点に立った時「楽しい人生だった」と思えるのではないでしょうか? まー、私はスピ系なので生まれ変わりの前のリセット地点が、ゴールだと思っているわけですが……。

■入学式に着るものに表れるママの格差


 で、角川家の話。入学してみたら90人中27人が幼稚部(付属幼稚園)からの持ち上がりで、残りの63人中15人くらいは、すでにきょうだいが通っているといった構成でした。親が出身者という子も多いはずなので、縁もゆかりもないのは角川家のほか20人くらいなんじゃないでしょうか(予想)。小学校受験はどの学校も100名前後の募集で、そのうちそうした持ち上がりやきょうだいらがある程度を占めるとなると、やっぱり狭き門ですね。入学式の時、幼稚部からのお母様たちは、示し合わせたのか、みな着物でご出席で、「内部進学者は違うのよ!」と暗黙の差を見せつけられてしまいました。私もそうですが、小学部から入学したママたちはお受験服をアレンジした程度で、まさかそんな華やかとは思いませんでした。働いているママも少なそうです。毎月といっていいほど行われる父母会、体育祭、参観日……とにかく親が参加する行事ばかりなので、心身ともに消耗気味です。共働きで私立小に通わせることが大変だと言われる意味がよくわかりましたよ。

 我が保育園は新年度が始まり、ホームページを変えたり、入園案内を変えたり、新しい園児のことを把握したりで大変でした。今日は年2回ある健康診断の日で、去年経験した園児は泣きませんでしたが、初めて診察される園児は「注射されるんじゃないか」という恐怖で泣き叫び、それはそれは大騒ぎです。

 私は、娘のいない保育園にまだまだ慣れそうもありません。ゴールデンウィーク頃まで、学校の最寄駅まで迎えに行かなければなりません。それでも、学校までお迎えしていたこの1週間に比べればまだ幸せですよ。今週から5時間授業になったので、やっと腰を据えて仕事ができるようになりました。保育園のオープン時間から出勤しているので、子どもたちと一対一で過ごす時間が増え、今までより子どもたちのことが見えてきました。娘が卒園したことで、保育園に行きたくない病になった園児もいるし、新年度ならではの問題もあります。とにかく親も娘も新生活に慣れなくちゃね。

角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月1日に「駒沢の森こども園」をオープンさせる。家庭では6歳の愛娘の子育てに奮闘中。

最終更新:2014/04/19 18:00
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