『ジャニーさんに愛される息子に育てる法~アイドルの掟1』著者インタビュー

「ジャニーズは一代限り」ジャニー喜多川の描き続ける“夢”、その座を引き継ぐ者とは

2014/04/12 16:00

――では、ジャニーさんが目指しているゴールとは一体どんな世界でしょうか。

小菅 ジャニーズで今、前線で活躍しているのは50人以上いると思うけど、全員がジャニーさんの掌にあり、線路の軌道の上を終着駅に向かってひたすら走っているんです。鉄道の終着駅は、ジャニーさんの夢の停車場。そして、自分の懐に彼らがいる間は徹底的に守ります。これはメリーさんも同じで、全員がジャニーさんの夢を託した仲間で、ファミリーだから。でも、本当に脱線してしまった人には冷たいでしょ? KAT-TUNの田中聖や赤西仁など、一度ファミリーを飛び出したことが見えると、冷徹です。これは、ジャニーさん・メリーさんの精神が半分アメリカ人で、半分日本人だからでしょう。日本人的心情で温情をかける部分がある一方、ビジネスライクなところもあるんです。

――後継者問題については、どう見ていますか。 

小菅 事務所は続いていくでしょうけど、“ジャニーズ”は手法や商売じゃなく、あくまでジャニーさんの美意識なので、私見ですが、引き継いでいくのは無理だと思います。ジャニーさんの作る和製ミュージカルには必ず少年たちの夢、友情、挫折などがちりばめられていて、それが半世紀変わらず、延々と続いているんです。ストーリー云々じゃなく、ジャニーさんの夢を全部詰め込んで凝結したものがジャニーさんのミュージカルで、それを演じるのがジャニーズアーティスト。ジャニー喜多川の夢がある限り、ジャニーズは存在する。だから、一代限りだと思います。
(取材・文/田幸和歌子)

小菅宏(こすが・ひろし)
東京都出身。作家。大学卒業後に集英社に入社し「週刊セブンティーン」創刊に参加、ジャニー喜多川氏と出会い、交流を重ねる。「週刊プレイボーイ」「月刊PLAYBOY」の副編集長を経て1990年に独立。著書に『ジャニー喜多川の戦略と戦術』(講談社)、『アイドル帝国ジャニーズ50年の光芒』(宝島社)、『ジャニーズファミリー』(オリオン出版)等。


ジャニーさんに愛される息子に育てる法~アイドルの掟1』(竹書房)
ジャニー氏の感性と審美眼にスポットを当て、ジャニーズアイドルの“フォーマット”を、ジャニーズ顔の要素、性格、笑い、友情など10条件で読み解く。

ジャニーズ魔法の泉~アイドルの掟2
才能が集まり続ける「ジャニーズ・システム」の戦略と手法を、ジャニー氏の「3つの予言(宣言)」を元にひもとく。

最終更新:2014/04/12 16:00
『ジャニーさんに愛される息子に育てる法』
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