大久保ニューの【美のぬか床】 第6回

汚部屋暮らしの私が化粧水を手作り!? 異国のライフスタイル「天然生活」体験☆

2013/08/24 19:00

 私はラベンダーオイルしか用意していなかったのだが、うつろさんは高額なローズオイル(ラベンダーの10倍以上のお値段!)をお持ちなので、1滴だけ恵んでいただいた。1滴なのに、なんて優雅な香り☆ 芳香剤のような攻撃的な匂いはしない。まるでバラ園にいるかのような、ブルガリアの空気までも感じるような豊かな香りにウットリ。しかしここで「すいません!」とJ子がシャウト。「間違えてスプレータイプのボトルを買ってしまいました!」と青ざめていたが、特に問題はない。むしろ前回のメイクセラピスト・塩月美香子先生に教えていただいた化粧水の塗り方にジャストな量(手のひらがうっすら湿るくらい)が噴出される。うつろさんも「これならルームフレグランスとしても使いやすいから、プレゼントする時にもいいかも」とOKサイン。プレゼントに手作り化粧水か……ボトルが200円だったから、わずか230円で「いい女っぽいプレゼント」が用意できる☆ 悪い笑顔が止まらないわ☆

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お料理気分、理科実験気分も味わえる保湿クリーム作り☆

 そして続けて「保湿クリーム」作りにも挑戦。こちらはちょっと中級編。シアバターとホホバオイルを湯せんで溶かし、粗熱が取れたらラベンダーオイルを入れ、冷めたら瓶に移して冷蔵庫で固める。うつろさんの家の、やはり素敵な大理石のキッチンで湯せんをしながら、「美のために、ちょっと手の込んだことをしている私」に酔う。デジタルスケールで計量するのも、理科の実験みたいで、なんとなく心躍るし、ラベンダーの香りが部屋中に香るのは原田知世になったような気持ちにさせてくれてウットリだ(若い読者さんへの解説:知世ちゃんの出世作『時をかける少女』の中で、ラベンダーは大事なアイテムなのです)。さらにこれらの行程はすべて「オーガニック化粧品」のためなのだ。女界では位の高い「エコ、無添加、天然生活」なことなのだ。「あ~ん、すべてのシーンを写真に撮って、ブログでドヤりたい~☆」と思ったが、うちの汚部屋でやっても憧れられないだろうなあ……。

 クリームが固まるまでの間、御歓談タイム。うつろさんが出してくれた素敵なグラスにはペリエが注がれた。家具や食器、本棚の中身まで「選び抜かれた物」という感がある。私の部屋のような「とっさの百均グッズ」は見当たらない。「あの~、やっぱり『クウネル』(マガジンハウス)とか『リンネル』(宝島社)とか読んでらっしゃるんですか?」とJ子が質問してしまうのも当然だ。しかしうつろさんが、「ああいう本を読むと『こんなに素敵には暮らせない』って落ち込んじゃうんですよね」と返したのは意外だった。「ジューブンに素敵じゃんよ!?」と絡んでしまったが、ふと、それこそ自然な反応なのかもしれないと気づく。

 汚部屋暮らしの私にとって、天然生活系は「異国のお話」のようなもので、「素敵☆」とは思っても「自分とは無縁」と思っているので、心が波立つことはない。しかし、実際にこんなにも素敵な暮らしをしているうつろさんは、「うちにはコレが足りない!」とリアルな焦りを感じてしまうのだろう。前々から「女の人生は比較の連続で大変そう」と思っていたが、「比較があってこそ女」なのかもしれない。「もっとこうしたい!」という欲が、女を成長させ、経済を回してゆくと思えば、欲は大事なエネルギーだ。量に注意しないと大惨事になるけどね☆

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