大久保ニューの【美のぬか床】 第4回

メイクセラピーで「安田成美様になりたい」と熱弁、自分語りの恍惚こそ美の極意か

2013/06/16 17:00
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「先生の手づかい、再現できるかしらっ!?」と思うほどの優しいタッチ

 さて、いよいよ真夏姫になるためのメイクレッスン。まずは持参した「普段使っている化粧品」で、先生が顔半分を仕上げてくれる。そう、話題の「半顔メイク」だ。まずは、ふきとり化粧水をコットンに取り、汚れをオフ。これはいつも通りだったのだが、続いての化粧水で衝撃を受ける。日頃の自分は、やや多めに手にとって、顔全体がビチャビチャになるくらいにビタビタと叩き込んでいたのだが、先生は少量を手のひらに伸ばしてから、そっと優しく肌に馴染ませてくれたのだった。そのあまりの優しいタッチに、肌が感動の涙を流すかのようだった。こんな優しく触ってくれた男なんていやしなかったよ!!

 5~6回だろうか、丁寧に丁寧に化粧水を塗ってもらう。というか、染み渡らせてもらう。早くもJ子から「もう、全然違う!」との声が上がったので、鏡を見せてもらうと、あれれ、マジで違う! 実はこの日、出発の10分前まで仕事をしていた私は徹夜状態。素の状態の顔半分は、くすみきった上に謎のフィルターがかかったようなマダラ状の肌色だ。なのに、先生に施された肌は色ムラが均一化されている……しかもモチッと手のひらに吸い付くような肌質に……何これ!? 塩月先生いわく「手のひらに広げた化粧水の水分を肌に移す」という塩梅だそうな。

 保湿クリームも手のひらに伸ばしてから、優しく優しく顔全体に馴染ませて、スキンケア終了。そしていよいよベースメイクだ。日焼け止めクリームを下地として(もちろん優しく)塗った後、持参したBBクリームを見せてみたら「うーん、BBクリームは難しいんですよね……」と塩月先生。BBクリームはメーカーにもよるが、変色しやすいらしい。「時間がたつと茶色くなるものが多いんですよね……」と言う先生に「なります!」と食いつくJ子。メイク初心者にはリキッドファンデーションがいいとのことで、塩月先生オススメのシャレコのリキッドを塗っていただくことになったのだが、ここでまた驚愕。

 ファンデも手のひらで伸ばしてから塗るんですか!?

 またしても「手のひらの上のファンデを移す」ということらしい。いつも「塗り伸ばす」という塗り方だったので、その軽い感覚にビックリした。全然ファンデを塗った感じがしない。肌がラクチン☆ 私はいつも手の甲に塗ってファンデを選んでも、どうも顔の皮膚に合ってない気がしていたのだが、「首の色に合わせるといいですよ」とのアドバイスもいただいた。確かに今まででいちばんナチュラルな顔面になった気がする……(半分だけ)。


 仕上げにリキッドを筆でチョンチョンとニキビ跡の上に乗せてごまかし、パウダーをはたく。この時、大きめのパフにパウダーを取ったら、全体に粉が着くようパフを揉むのがポイントだそうな。もちろんそのパウダーも肌の上に移すようにはたいてメイク終了。今回はベースメイクだけだったので、半顔の元祖である、あいのり桃みたいな衝撃顔にはなれなかったが、十二分に差のある半顔が鏡の中にいた。肥沃な大地と荒れ地が半々のような顔……格差顔だ。

『安田成美―真夏姫(サマープリンセス)』