サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「VERY」モデルがエッセイで大失言 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「VERY」5月号 「学校行事の主役は自分」と大失言! 「VERY」看板モデルがぶっちゃけすぎ! 2013/04/21 16:00 女性誌速攻レビューVERY 「VERY」2013年5月号(光文社) 今月の「VERY」(光文社)の第1特集は、「『どうしてもスキニーパンツがはけない!』対策委員会」です。「ミランダ・カーみたいにはいかない」、「どうしてもボーイフレンドデニムを選んでしまう」などという、リアルなアラフォー世代の悩みに答えています。ほかの雑誌では、それぞれの体型による悩みや、似合うか似合わないかをすっ飛ばして、モデルさんが流行のアイテムを完璧に着こなす写真ばかりを見せがちですが、「VERY」は、今日着る服に対して真っ向から取り組み、読めば明日から使えることが書いてあるという点で、いつも感心させられます。確かにアラフォー世代は、流行に敏感でいたくても、取り入れるとケガをすることも多いわけで。賛否両論ある「柄パンツ」の着こなしも、「VERY」は読者目線でしっかり紹介してくれています。 きっと「VERY」は、「読者の声を聞く」姿勢を貫くだけでなく、徹底的にぼんやりとした企画を許さないのではないでしょうか。「妻、その中でも子持ちの専業主婦が女として一番素敵で幸せ」という「VERY」の思想には迎合できずとも、その編集方針は素晴らしいなと思います。 <トピック> ◎「どうしてもスキニーパンツがはけない!」対策委員会 ◎タキマキの「目指せ!ニッポンのお母ちゃん」/ママだって世界基準「月刊ウェブジャーナル」 ◎運動会のイケダンカジュアルの正解が知りたい ■肩すかしの「世界基準」 先月から始まったタキマキさんこと滝沢眞規子さんの連載「タキマキの『目指せ!ニッポンのお母ちゃん』」と、クリス・ウェブ佳子さんの連載「ママだって世界基準、『月刊ウェブジャーナル』」。今月も目が離せません! タキマキさんは、「実は、似合っていなかった!? 私の『お母さんスーツ』」というタイトルで、入学式などの行事でのファッションに言及。そういう行事での悩みどころは、「案外、子どもよりも自分のファッションだったりしませんか」と問いかけています。文面のまま受け取ると、「学校行事の主役は自分」と勘違いされる可能性もありますよね。タキマキさんが、そんな誤解をものともせずに、真っ直ぐにこういうエッセイを書いているのは好感が持てますが……。 ファッションページでは、「子どもよりも自分が主役」という空気が出ても多少いいと思いますが、個人的なエッセイでもその空気が出ると、大丈夫なのかな……と心配になってしまいます。雑誌に流れる空気としては受け入れられるコンセプトも、イチ読者モデルの意見としては、「本当は子どもが主役なんですよ!」というエクスキューズ、本音と建て前を用意してほしいと思うのは筆者の願望なのか、それとも同誌に連載中の小島慶子さんの冷静な視線を持ったエッセイに感化されすぎなのか……。 結局、タキマキさんは「周りの人が何を着ているかよりも、自分は自分らしくでいんじゃないかな」と締めくくっています。ママになっても、子どもと同じか、それよりも輝いていたい気持ちのよりどころを、「自分らしく」という言葉で正当化してしまうこの乱暴さ。でも、「VERY」が提唱する思想「妻、その中でも子持ちの専業主婦が女として一番素敵で幸せ」という概念を正当化させることって、かなり今の社会では無理があるからこそ、ぼんやりとした「自分らしさ」に落とし込んでしまうのかもしれません。 12次のページ Amazon 『VERY』 関連記事 「スクール・ママ・カースト」のリアルを暴く、「VERY」ママの小物術ぜい沢な暮らしから、物語性のある暮らしへ! 「VERY」の静かな変化コンサバ奥さま雑誌「VERY」で、広末涼子が暑苦しいほどの「高知愛」を語るセックスレスの原因(?)だったママチャリ問題を、「VERY」がサクッと解決!「VERY」創刊15周年記念号に落とされた、桐野夏生という爆弾