ハリウッドで最も稼ぐ子役なのに…

人気子役の“汚物発言”、宗教グループのリーダーによる洗脳か?

2012/12/03 16:00
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アンガス・T・ジョーンズ(左)とクリストファー・ハドソン「YouTube」より

 ハリウッドで最も稼ぐ子役スターとして知られる『ハーパー★ボーイズ』のアンガス・T・ジョーンズ(19)が、億万長者にしてくれた同番組のことを汚物呼ばわりする動画をYouTubeに掲載し、大騒動になってから1週間がたとうとしている。世間に大きな衝撃を与えたこの言葉は、アンガスの真摯な宗教心から発せられたもので、要注意人物とされるリーダーが率いる宗教グループに属していることも発覚。信者たちは「アンガスはハリウッドの先導者になる」と大喜びしているのだが、母親は「息子は利用されているに違いない」と憔悴している。

 1エピソード当たり35万ドル(約2,880万円)を稼ぎ、ワンシーズンで800万ドル(約6億円)のギャラを手に入れているとされる『ハーパー★ボーイズ』の人気子役アンガス。番組が放送開始した2003年当初からレギュラー出演している彼は、10歳の頃から「ネジが緩んだ救いようのないほどアホな息子」ジェイク役を演じ、おじ役のチャーリー・シーンとの掛け合いが評判になった。ディズニーの子役たちと比べてルックス的には劣るためアイドル的な扱いは受けていないが、業界からは一目置かれる存在となっている。

 大金を稼ぐにもかかわらずスキャンダルにも無縁で品行方正だと伝えられているアンガスは、今年5月に出演契約を1年更新したことを発表。2013年秋から放送される予定のシーズン10には出演するが、これを最後に降板し、大学に進学し学業に専念するとの声明を出し、将来のビジョンをきちんと持つ素晴らしい青年だと絶賛された。

 しかし、先の動画でイメージは一変。過激な宗教家に洗脳されているのではないかと、世間は大騒ぎしている。彼が初めて宗教について深く語ったのは今年10月のこと。セブンスデー・アドベンチスト教会が主催するラジオ番組に出演し、宗教心について熱く語った。アンガスは、2~3年前、両親が離婚に向けた話し合いを始めた頃に荒れていた時期があったとのこと。家にいたくないため友人やガールフレンドと過ごす時間が増え、薬物に一瞬手を出したが、宗教を心のよりどころにすることにより、苦しい時期を乗り越えられたと告白。「荒れていた時期もあったが、自分は生まれてから一滴も酒を飲んだことがないし、今なお童貞だ。この2つは、神さまががっしりと守ってくださっているのだ」と神に感謝の気持ちを述べた。

 アンガスは昨年の秋ごろに、友人の言葉を通してキリストからのメッセージを受け取ったと感じたことがきっかけで、宗教にのめり込むようになった。そして、セブンスデー・アドベンチスト教会の信者による宗教グループ「フォアランナー・クロニクルズ」のリーダーであるクリストファー・ハドソンに心酔するようになったという。

 11月26日にYouTubeに掲載された動画で、アンガスはクリストファーの横で宗教心を語り、「『ハーパー★ボーイズ』のジェイクは無意味な存在だ。実在するキャラクターじゃないし。もしあなたが『ハーパー★ボーイズ』を毎週見ているのなら、もうやめてほしい。汚物で脳みそを満たすことになるから、もう見ないでほしい」「ただの娯楽じゃないかと言うかもしれないけれど、テレビ番組が脳に与える影響は大きいとの調査報告も出ている」と発言。笑顔を見せながら語るアンガスの横で、カメラに向かって鋭い視線を向けるクリストファーの存在がなんとも気になる、不気味だと話題となった。


 アンガスが絶大的な信頼を寄せるクリストファーは、09年に激越な説教ビデオをYouTubeに掲載し論議を醸したことがある人物。このビデオは「ジェイ・Zの欺き」と題されたドキュメンタリーで、ジェイのことを「秘密結社フリーメーソンの会員」だと指摘。「ファーストアルバムでフリーメーソンへの入会が検討されるようになった。セカンドアルバム発売後入会が許され、サードアルバム発売後には第三級に昇格。ロッジでの集会に参加できるようになった」「 (6thアルバムである)『The Blueprint』はフリーメーソンで地位を確立した彼の道のりをたたえるものであり、彼と悪魔の深いつながりを歌ったものである」と主張。「悪魔は音楽やファッションなど魅惑的な業界を利用し、我々を神から引き離そうとする」と警鐘を鳴らし、リアーナやカニエ・ウエストもジェイの共謀者だと独自の奇想天外な見解を展開した。

 クリストファーはアンチ・オバマでもあり、2011年に「(国際テロ組織アルカイダの指導者)オサマ・ビン・ラディンは2007年に死んでおり、米軍特殊部隊の急襲作戦により殺害されたという発表は陰謀だ!」と発言。今年11月に行われた大統領選挙の前には、「同性婚、マリワナの合法化を許すオバマは悪だ。ハリケーン・サンディがもたらした被害の大きさを見れば一目瞭然だ」と声を上げ、オバマ支持者に目を覚ますよう呼びかけた。悪魔による陰謀に過敏になっているように見受けられるクリストファーは、2009年に急死したマイケル・ジャクソンの死も「陰謀によるもの」だと断言している。また09年にリリースしたビデオでは、「マスターベーションは不自然な行為である」と明言。陰謀説を唱えるだけでなく、迷える若きクリスチャンを教え諭す存在を目指しているとも思われる。

 アンガスの発言だが、大手メディアまでも連日報じる騒ぎとなり、「セレブストーカー」と叩かれている17歳の少女と交際していることもすっぱ抜かれてしまった。母親も「息子は利用されているだけ」と深く悲しんでいると伝えられるようになり、ここまで大騒動になったことに驚いた彼は、「あの発言は番組や家族のようなスタッフのみんなを見下すものではない。みんなのことは尊敬している」と謝罪声明を発表した。

 ネット上で「洗脳されている」「カルトにハマっている」とバッシングも受けているアンガスだが、彼の宗教心は揺らがず、「フォアランナー・クロニクルズ」の信者たちも「アンガスはハリウッドの先導者になると信じている」と大きな期待を寄せている。確かにアンガスのおかげで「フォアランナー・クロニクルズ」の存在は世界中に広まった。彼が今後も、グループのスポークスマンのような存在として積極的に宗教活動を行っていくのは、間違いなさそうだ。

 「楽しみにしていたのに、番組を見ても白けてしまいそう」という『ハーパー★ボーイズ』ファンの落胆する声はとても多い。同番組は昨年2月に主役を演じていたチャーリー・シーンが降板しており、シーズン10でアンガスが卒業すると、メインキャラクターが大きく変わってしまう。この先『ハーパー★ボーイズ』がどのような番組に“変貌”するのか、注目したい。


最終更新:2012/12/03 16:44
『洗脳 ~スピリチュアルの妄言と精神防衛テクニック~』
ちょっと誰か苫米地さんを呼んできて!