[TVツッコミ道場]

徹子空間にEXILE突入、開口一番「ハンサムばっかり！」

2009/03/31 08:00

　今回ツッコませていただくのは、3月26日放送の、『徹子の部屋』（テレビ朝日系）。

　ゲストは、EXILE。”EXILEと徹子”という取り合わせは、なんとも不思議な感じがする。あの”♪ルールル”が流れるソファーの空間に、どんな感じで納まっているのだろうか。そもそも14人もいるし。

　今回ゲストとしてやってきたのは、リーダーのHIROと、ヴォーカルのTAKAHIROの2人。かねてから、「分かりやすいハンサム」は大好物な徹子さん。だから、同じヴォーカルでも、ATSUSHIではなく、甘いルックスのTAKAHIRO、そして「キチンとお話をするため要員」としてのHIRO、といった布陣なのだろうか。徹子の”ルールル”空間に飲み込まれてしまわないため、14人の中から2人選ぶとしたら、ベストチョイスだ。

　番組オープニングの”♪ルールル”が流れると同時に、「もう、ハンサムばっかり！」と、少し興奮気味の紹介で番組が始まった。完全にルックス的には、アリっぽい。

　2人が登場し、徹子が紹介するのだが、それが、「リーダーで社長のHIROさん」「新しくお入りになられました、ヴォーカルのTAKAHIROさん」という紹介の仕方。「リーダーで社長」というところがポイントだったらしく、CM明けにももう一回同じフレーズで紹介をしていた。そして、2人を見つつ、「ハンサムでみんなね、ホントにカッコいい」と、また「ハンサム」強調。ここも今回重要なポイントだ。

　そんなハンサムTAKAHIROが徹子に向けて繰り出した先制攻撃が、「似顔絵のプレゼント」というもの。「アラー、お上手！」と、大興奮で「こういういいお土産をいただけるのは」と、ますますご満悦で、「顔もいい、歌もうまい、踊りもうまい、姿がいい、感じがいい、っていうそういうグループでね、EXILEって」と、指折りながら形容するほどだった。絶好調だ。

　とはいえ、ニート芸人・ガリガリガリクソンの漫談で、ファンのイメージとして「EXILE」のファンは「パッパラパーですね」というのが笑いになるように、どうしても第一印象でチャラそうなイメージがつきまとうのは否めない。

　そんなこともあってか、EXILEのメンバーは、この2人に限ったわけでなく、いつもみんな「出会い」とか「仲間」とかのワードを用いて熱く、かつマジメな姿勢を見せ、硬派ノリをプッシュ。そして、メンバー同士がほめ合う。この日もTAKAHIROが、「部活ノリじゃないですけど、男祭り的な感じで毎日楽しんでますね」と、EXILE愛を熱く語っていた。そしてその熱弁を、隣でニッコリ微笑みながら聞く、HIRO。「いい人」たちだな。

　そんな「マジメな」面々押ししているところで、家族の紹介として写ったTAKAHIROのお父さんとのツーショット。美容院経営者というお父さん、サングラスに口ひげ、そして短いソリ眉に、ハデなジャケットとネックレス……やりすぎです、お父さん！　写真の隣に写る、ややホスト風の息子よりもはるかにワルそう。「非常識な親父で」「他人だったらすれ違う」と、息子も笑いにしていたが、徹子も「何の仕事の人か分からない」と、それはそれで夢中ではある。

　しかし、この、チャラそうに見えるけど、ホントは考えていることも活動もマジメで、いい人たちなんだよ、というアーティストイメージ、昔どっかであったなあと思えば、横浜銀蝿だった。「母ちゃん、そんなに心配すんなよ」という系だ。硬派なヤンキー魂が、2009年にここに受け継がれているのか、違うのか。

　最後に「素晴らしい音楽、見た目もステキっていう、そういうのをずっと続いてね」とダメ押しし、やっぱりルックス重視そうな徹子さんでした。
（太田サトル）