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実写版『白雪姫』、3位発進もネット上で酷評続出のワケ――映画興行収入ランキング(3月21~23日)

2025/03/26 19:00
サイゾーウーマン編集部

サイゾーオンラインより】

(写真ACより)

 最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、3月21~23日)で、アニメーション作品『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(3月7日公開)がV3を獲得した。

目次

3位の実写版『白雪姫』、アニメファンから酷評続出!
『白雪姫』低調スタートは“炎上騒動”が影響か
7位の『教皇選挙』が「破格の大ヒット」といえるワケ
全国映画動員ランキングトップ10(3月21~23日、興行通信社調べ)

初登場3位の実写版『白雪姫』、アニメファンから酷評続出!

 3月24日発表の全国週末興行成績ランキングで首位をキープした『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』は、「映画ドラえもん」シリーズ最新作。ドラえもん(声優・水田わさび)やのび太(声優・大原めぐみ)たちが絵の中の世界で冒険する姿を描いており、上映開始から3週目の週末3日間も観客動員28万2000人、興行収入3億4700万円を記録。累計興収21億円を突破した。

 3週連続1位の『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』と同様に、米のミュージカル・ファンタジー映画『ウィキッド ふたりの魔女』(3月7日公開)も3週連続で2位をマーク。シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデのダブル主演でも話題の同作は週末3日間で動員16万3000人、興収2億7100万円をあげ、累計興収は18億円を超えた。

 そして今回3位に初登場したのは、レイチェル・ゼグラー(日本語吹き替え:吉柳咲良)が主演を務めるミュージカル・ファンタジー映画『白雪姫』(3月20日公開)。ディズニー初の長編アニメ映画『白雪姫』(1937年)をもとにした実写化作品で、女王(魔女)役はガル・ガドット(月城かなと)、本作における白雪姫の運命の人・ジョナサン役はアンドリュー・バーナップ(河野純喜/JO1)が演じている。

 実写版『白雪姫』も、名作と呼ばれたアニメ版と同じくディズニーによって製作されたものだが、ネット上では実際に映画を鑑賞した客から、「白雪姫がたくましすぎる」「強いプリンセスもいいけど、わざわざ『白雪姫』でやる必要あった?」「アニメ版の穏やかな白雪姫が好きだから、実写版のキャラクターには違和感がある」などと酷評が続出。

 アニメ版は、美しい白雪姫が女王に嫉妬されて命を狙われるも、最終的には王子様に助けられる……というストーリー。一方、実写版では、白雪姫の美しさは内面を重視した設定で、「ルッキズムに囚われないという視点は悪くない」と好意的な意見もあるが、「王子も出さないのはやりすぎ」といった指摘も寄せられている。

 加えて、実写版で王子様の代わりに登場するのがジョナサンだが、“王子不在”設定のためにアニメ版で人気の挿入歌「いつか王子様が」も使われておらず、「『白雪姫』の代表曲までカットされるなんて!」「あの名曲がない『白雪姫』は『白雪姫』と言えるのか?」などと嘆くアニメ版『白雪姫』ファンも多い。

実写版『白雪姫』、19年公開の『ダンボ』と並ぶ低調スタート……“炎上騒動”が影響か

 また、主演のレイチェルが「(アニメ版の王子は)ストーカー」と発言したことをはじめ、公開前から“炎上”騒動も続いていた。その影響もあってか、全国382スクリーンと大規模で封切られるも週末3日間の動員は13万1000人、興収は1億9700万円で3位と、ディズニー最新作にしては物足りない順位でスタート。なお、公開初日の祝日を含めた4日間の累計興収は3億2600万円と伝えられている。

 この結果について、映画ライターのヒナタカ氏は以下のように語る。

「北米で公開された週末3日間の興収は約4,300万ドル(約64億円)で、ディズニーの実写映画の中では興行的にも批評的にも伸び悩んだとされる19年公開の『ダンボ』(週末3日間の興収は北米が約4,600万ドル、日本は4日間換算で3億3500万円)と同等の低調スタートです。“歴史的な大コケ”というほどでもないものの、やはり作品の外にある炎上とプロモーションの制限、厳しい評価も、このいまひとつの成績に影響しているのでしょう。日本では同じくミュージカルかつ有名作品の実写映画化作品で、かつ絶賛の口コミが広がっている2位の『ウィキッド ふたりの魔女』が強力なライバルとなったことも大きいと思われます」

 なお、ディズニープリンセスの実写化映画について、日本での初動の興収を振り返ると、『シンデレラ』(15年)は土日2日間で5億5600万、『美女と野獣』(17年)は3日間で興行収入13億7900万円、『アラジン』(19年)は3日間で13億9600万円、『リトル・マーメイド』(23年)は3日間で7億1200万円となっている。

「これらに比べると『白雪姫』は大きく落ち込んでいることがわかります。特に、『アラジン』以降は成績が落ちていますから、ディズニープリンセスの実写映画としてのブランド力を回復させるための方策が必要なのかもしれません」(同)

初登場7位の『教皇選挙』が「破格の大ヒット」といえるワケ

 今回のランキングではそのほか、高橋文哉と西野七瀬(元乃木坂46)がダブル主演を務める『少年と犬』が4位、米英合作のミステリー映画『教皇選挙』が7位、Koki,主演のラブコメディ2部作の前編となる『女神降臨 Before 高校デビュー編』が9位にそれぞれ初登場(いずれも3月20日公開)。

 東日本大震災で飼い主を亡くした犬とさまざまな事情を抱える人間たちの姿を描いた『少年と犬』は、小説家・馳星周氏の同題作品(文藝春秋)を実写化。週末3日間で動員8万3000人、興収1億900万円、祝日だった公開初日を含む4日間の累計興収は1億6,400万円をあげている。

 ローマ教皇選挙の舞台裏と内幕を描いた『教皇選挙』は、主演をレイフ・ファインズ、監督をエドワード・ベルガー氏が務めており、7位発進ながらネット上では「めちゃくちゃ面白いブラックコメディ」「もっと注目されるべき映画では?」などと話題だ。

 前出のヒナタカ氏によれば、今作は「破格の大ヒット」を遂げているそう。

「『教皇選挙』の公式Xでは、公開4日間で満席の回が128回もあり、公開5日間で興収1億円を突破とも発表されています。『第97回アカデミー賞』で計8部門ノミネートの話題性、主演のレイフ・ファインズに知名度はあるものの、日本人にはあまりなじみのない題材かつ、上映館が107館と小規模であることを考えると、絶好調といえるのでは。そこから思い出されるのは、『第96回アカデミー賞』でのノミネートおよび受賞、人間の歴史および現代社会の問題をえぐるような内容、さらに漢字4文字の邦題であることなどが共通している、アウシュヴィッツ強制収容所とホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を題材とした『関心領域』(24年)です。“洋画離れ”がささやかれる今、日本人がこうして世界の問題に触れる映画に興味を持つことは喜ばしいですし、今回の『教皇選挙』は『関心領域』よりもエンタメ性が高い内容でもあるので、今後の口コミ効果でさらなる大躍進もあるでしょう」

 また、木村拓哉と工藤静香の次女としても知られるKoki,主演の『女神降臨 Before 高校デビュー編』は、韓国の人気WEBコミック『女神降臨』(yaongyi作)が原作。冴えない容姿のせいでいじめを受けた主人公・谷川麗奈(Koki,)が、努力によりメイク技術を習得。誰もが振り向く“女神”となるも、同級生の神田俊(渡邊圭祐)にすっぴんの秘密を見抜かれ、さらに五十嵐悠(綱啓永)にも目をつけられて……という内容。Koki,は今作でラブコメに初挑戦しており、後編の『女神降臨 After プロポーズ編』は5月1日公開予定だ。

 ほかの話題としては、前回トップ10圏外となっていた『映画 ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』(2月21日公開)が10位に再浮上。また、ファンの熱狂が続く『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』(2024年12月20日公開)は、累計興収30億円を突破したと発表された。

全国映画動員ランキングトップ10(3月21~23日、興行通信社調べ)

1位:『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』
2位:『ウィキッド ふたりの魔女』
3位:『白雪姫』(初)
4位:『少年と犬』(初)
5位:『35年目のラブレター』
6位:『ファーストキス 1ST KISS』
7位:『教皇選挙』(初)
8位:『お嬢と番犬くん』
9位:『女神降臨 Before 高校デビュー編』(初)
10位:『映画 ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』

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最終更新:2025/03/26 21:10