ロングインタビュー第3回

【幸福の科学学園1期生語る3】異性交遊した生徒は「独房懲罰」!? 鍵のない部屋で息苦しい寮生活(追記アリ)

2019/08/19 16:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman
幸福の科学学園公式サイトより

 

【サイゾーウーマン編集部より】

 8月17日~20日掲載の「幸福の科学学園1期生が語る」全4回のインタビューに関して、幸福の科学広報局より、下記の申し入れがありました。

「本記事は、極めて偏った個人の見解のみを取り上げたものであり、幸福の科学学園やハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)の実像や信仰生活のあり方、信者の生活信条について、実際の姿を伝えているとは到底言い得ないものだと考えます。本記事には、極めて多くの事実誤認が存在しますので、主なものについて、記事内で当グループの見解を提示させていただきます」

 編集部は幸福の科学広報局の見解を拝受し、その内容に一部に疑問点が生じたので、追加質問状を送付し、回答いただきました。当初、幸福の科学広報局は「追加質問と回答の掲載をお断りします」とのことでしたが、編集部より「追加質問内容」に関しては、編集部側の公表権にのっとり掲載する旨を伝えたところ、公平性の観点からどちらも「全文掲載」してほしいとの申し入れがありました。幸福の科学学園1期生Aさんの実体験を読んだ上で、幸福の科学広報局と編集部の一連のやりとりを当該ページの下部に掲載いたしますので、見ていただければと思います。


 なお幸福の科学広報局より、「本記事は、事前に当グループへの事実確認が全くないまま作成されたものであり、当グループが申し入れを行った後で、漸く質問状が届くというものでした。これは、『公平性と正確性』というジャーナリズムの基本を外したものであると同時に、宗教に対する著しい偏見に基づくものであると言わざるを得ません」との見解が届きました。編集部は、「宗教における2世信者の抱える葛藤」が世に出にくいという背景を踏まえ、社会に問題提起したいという思いから、表現の自由、言論の自由のもと、内容に真実性や批評性があると判断した上で、このインタビューの掲載に至りました。


 大川隆法氏率いる宗教団体「幸福の科学」が営む、学校法人の全寮制私立中高一貫校「幸福の科学学園」。同校の第1期生・Aさんへのロングインタビュー第3回では、学園生活全般について取り上げる。同校には、ルール違反者に科せられる「独房懲罰」なるものがあり、一部週刊誌でもその存在が報じられ、波紋を呼んだことがあるが、Aさんにその詳細を聞いた。

【第1回】「私は選ばれた人間」と思った――大川隆法氏登場に涙した入学式
【第2回】社会科で「霊言」「過去世」の話題も――知られざる授業内容

大川隆法氏の祭壇の前で……「独房懲罰」の実態

――「週刊新潮」2012年11月22日号(週刊新潮)に掲載された「特別読物 文科省も県もお手上げ! 子供に嘘を刷り込むデタラメ授業! 『坂本龍馬の前世は劉備』と教える『幸福の科学』学園の罪」という記事をめぐり、幸福の科学が発行元の新潮社と記事執筆者のフリーライターを訴える裁判がありました(新潮社側が勝訴)。同記事では、ルール違反をした生徒に対するペナルティーがあるとし、「まるで刑務所の“独房懲罰”」と表現。2015年3月26日・東京高裁判決文によると、「期間中、食事及び入浴時間も他の生徒と接触や連絡ができず、部屋で、勉強をしたり、幸福の科学に関するDVDを見たりしなければならないのであって、全くの自由時間が予定されていないものでかなり厳しいもの」とあります。こうした「独房懲罰」のようなものは実際にあったのでしょうか。

Aさん(以下、A) はい。規則を破ったり、異性交遊をしたりした生徒を、一定期間謹慎とする懲罰がありました。ただ、入学したときに「独房懲罰がある」といった説明は一切なかったですし、1期生が1年目に罰を受けたという話も聞かなかったので、2期生、3期生と生徒が増えていく中で、対処的にできたものではないかと思います。恐らく、大川も先生方も、設立当初は「処罰を必要とするような出来事は起こらない」と思っていたんじゃないでしょうか。
【幸福の科学広報局コメント4】


――独房懲罰に関して、実際に見聞きした事例があれば教えてください。

A 女子寮に侵入した男子が3日間ほど、人目に付きにくい場所のトイレでセックスしていたカップルは1週間ほど、それぞれ謹慎になったと記憶しています。あと、学園祭で許可なく綿菓子を販売した子がいたんですが、普段からあまり素行が良くなかったうえ、信仰にもあまり熱心ではなかったことも相まってか、1週間程度の謹慎を受けていました。ほかにも、ショッピングモールで万引きをした子は、保護者が迎えに来て1週間ほど自宅に帰されていましたね。

――「新潮」の記事には「学園には、恋愛禁止ルールもあるんです。先生たちは『お互いを高め合う男女交際を推奨しているのであって、禁止してはいない』と言いますが、男女が隣り合って座ったり、2人きりになってはいけないと言われる。禁止と同じことです」という男子生徒のコメントもありました。

A 異性絡みで独房懲罰を受けたという話はよく聞きましたね。カップルは、普段カフェテリアで一緒に勉強する程度で、休日に時間をずらして寮を出て、出先で落ち合ってデートするとか、みんな大人にバレないよう、こっそり付き合っていたみたいです。一方で、「いじめで罰を受けた」という話は、特に聞いたことがありません。

――謹慎期間中の生徒が、どのように過ごしていたかご存じですか?

A 謹慎処分を受けた子から聞いた話によると、寮に独房懲罰専用の部屋があって、そこで過ごしたとのことでした。部屋の中には、大川の顔写真が飾られた祭壇が置かれていて、その目の前に設置された机に1日中座らされ、毎日違う大川のビデオを見て、反省文を書かされたそうです。

――謹慎中であることは、ほかの生徒にも知らされるのでしょうか?

A いえ、実は独房懲罰があること自体、公にされていなかったんですよ。“都合の悪いことは隠せばいい”といった感じで、先生も寮のスタッフであるハウスペアレントも、誰も何も触れませんでした。ある日突然、学校に来なくなる生徒がいて、最初は「どうしたんだろう?」と不思議に思っていたのですが、すぐにうわさが広まるといった感じです。口の軽いハウスペアレントからポロッと聞いたこともありますよ(笑)。でも、独房懲罰の存在を知らない生徒は、最後まで知らずに過ごしたんじゃないかと思います。
【幸福の科学広報局コメント5】

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(追記)

【幸福の科学広報局コメント4】
本記事では、同学園に「独房懲罰がある」とし、「寮に独房懲罰専用の部屋」が存在するとしていますが、そのような懲罰、個室ともに存在しません。規則を破った生徒を、一定期間謹慎とするとしていますが、事実に反します。謹慎とするのは、法令に反した行為が中心で、これは学校教育法上認められた範囲で教育目的として行っており、一般的にどの高校でも同様です。また「新潮」記事の引用における「男女交際」については、これを禁じておらず、事実に反します。

◎編集部からの追加質問
1.「新潮」の記事をめぐる2014年12月12日・東京地裁判決文内には、「隔離措置」事例として、「午後10時以降の体育倉庫で喋っていた」「友達のお菓子を食べた」といったものが挙げられています。これらは法令違反には当たらないと思うのですが、どのように捉えていらっしゃいますか。

◎幸福の科学広報局からの回答
同学園において、「午後10時以降の体育倉庫で喋っていた」ことを理由とする懲戒処分が行われたことはありません。なお、東京地裁の判決文においても、個別の懲戒事例の有無について判断はされておりません。また、「友達のお菓子を食べた」ことについて、友人のお菓子を無断で食べることは窃盗罪に該当する犯罪行為です。

【幸福の科学広報局コメント5】
本記事では、同学園での謹慎等が、「“都合の悪いことは隠せばいい”といった感じ」で、秘密裏に行われているとされていますが、これも事実に反します。謹慎等を行わせる場合は、必ず関係者や保護者に連絡しています。

◎編集部からの追加質問
1.生徒全体に謹慎処分を周知しない理由をお教えください。

2.裁判となった「新潮」の記事では、学園のある生徒の父親が「最近になって子供から聞かされて驚いたのですが」として、謹慎処分の話をしています。生徒への懲戒に関する基準についてあらかじめ明確化し、これを生徒や保護者などに周知されていらっしゃいますか。していらっしゃる場合、その内容はどのようなものなのか、お教えください。

◎幸福の科学広報局からの回答
(謹慎未公表の理由)
生徒のプライバシー保護の観点から個別の謹慎処分の内容は全体に公表しておりません。これは、他の学校においても同様です。

(生徒への懲戒に関する基準)
入学説明会と入学オリエンテーションで、生徒や保護者に周知しています。

カルト村で生まれました。