ザッカーバーグ氏がワシントンに豪邸購入 大統領のご機嫌取りの拠点

2025/04/20 12:00
サイゾーオンライン編集部

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Mark Zuckerberg(写真:Getty Imagesより)

 フェイスブックなどを運営する米メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が首都ワシントンに超高級住宅を購入した。ホワイトハウスから車で約15分という近さにあり、トランプ政権と向き合うための「個人大使館」と呼ばれている。かつては「犬猿の仲」だったトランプ大統領の就任式に出席し、メタとして巨額の寄付をするなどトランプ大統領に「こびを売る」姿勢が目立つザッカーバーグ氏だが、リベラル派は「まさかホワイトハウスの近くに家まで買うとは」と変わり身の早さにあきれ顔だ。

33億円超をキャッシュでポン 大使館並ぶ超一等地

 ザッカーバーグ氏が購入した住宅は、ワシントンの高級住宅街ウッドランド・ノーマンストーン地区にある。近くにはワシントン大聖堂や英国、イタリア、ブラジル、オーストラリアなどの大使館が立ち並ぶ超一等地だ。

 敷地面積は1万5400平方フィート(約1430平方メートル)。レンガ造りの2階建て(一部3階建て)の建物で、5つのベッドルームに7つのバスルーム、2つのキッチン、3つの暖炉を備えている。

 道路に沿って建てられているが、裏手は広々としたプライベートの屋外スペースがあり、緑の多いこの地域の景観と調和している。建物は、ガラス張りの通路でつながれた3つのセクションに分かれており、クラシックな切妻屋根(きりづまやね)と高い煙突、大きな窓が閑静なたたずまいを演出している。

 屋外アメニティーはプールのほかバスケットコートがあり、セキュリティー強化のために新しいフェンスで補強された。

 地元の著名な建築家によって建てられたこの邸宅の販売価格は2300万ドル(約33億3000万円)。市内で歴代3番目に高価な物件だったが、ザッカーバーグ氏は現金で購入した。

 ホワイトハウスから車で約15分、副大統領官舎には徒歩で行けるこの物件については、秘密保持契約によって取引交渉は極秘裏に進められた。地元の不動産業界では「謎の購入者」はだれかという話題で持ち切りとなった。

 3月初旬に交渉が成立し、ザッカーバーグ氏が購入することが決まると、グーグルマップのストリートビューで、この建物にぼかしが入った。現在も建物は見えないままだ。

 ザッカーバーグ氏がワシントンに住宅を購入したことについては、メタ側も認めている。米国の政治ニュース専門メディア「ポリティコ」に対し「マークとプリシラ(ザッカーバーグ氏の妻)はワシントンに家を購入した。メタは米国のテクノロジーのリーダーシップについての政策課題への取り組みを続けており、マークはワシントンで多くの時間を過ごすことになる」と答えている。

 ホワイトハウスに通うことが多くなるから、ホテルに宿泊するよりも住宅を購入した方が安全で便利だ、というわけである。

「反目」から一転 会食、寄付、メタ役員への親トランプ派受け入れ

 ザッカーバーグ氏とトランプ大統領は、つい最近まで反目し合っていた。ザッカーバーグ氏はトランプ大統領の支持者がワシントンの国会議事堂を襲撃した事件を受けて、トランプ大統領のフェイスブックとインスタグラムのアカウントを閉鎖した。

 一方のトランプ大統領は、2020年の大統領選で自分が不利になるようSNSへの投稿を管理していたとしてザッカーバーグ氏を厳しく批判していた。

 2024年7月、トランプ大統領は「不正にかかわった人間は長期にわたって刑務所に送られることになる」と自身のSNSに投稿し、ザッカーバーグ氏を名指しして「気を付けておけよ」と警告した。

 そのトランプ大統領が2024年11月の大統領選で当選を決めると、ザッカーバーグ氏はそれまでの「反トランプ」的な姿勢を一転させ、トランプ大統領への接近を始めた。11月の感謝祭前に、当選の祝意を伝えるためにトランプ大統領の自宅であるフロリダ州のマール・ア・ラーゴに出向き、夕食を共にした。

 2025年1月の就任式にあたっては、メタとして就任式の運営基金に100万ドル(約1億5000万円)を寄付し、ザッカーバーグ氏自身が就任式に出席した。トランプ大統領家族の真後ろという「超一等」席に座っていた。

 メタは、米国内のプラットホームでファクトチェックの表示を廃止したほか、トランプ大統領の熱烈な支持者であるプロレス団体の社長を役員として迎え入れた。
さらに4月11日、1期目のトランプ政権で大統領補佐官を務めた実業家をボードメンバーに加えることを発表した。

 「接近」というレベルをはるかに超えて、ザッカーバーグ氏は自身のソーシャルメディア企業を「トランプ化」させてしまっている。

イーロン・マスク氏の後釜で政権入りの噂も

 ワシントンでの住宅購入が米国メディアで報じられた4月2日も、ザッカーバーグ氏はホワイトハウスを訪れていた。米連邦取引委員会(FTC)がメタによる「メタバース」(仮想空間)関連企業の買収が「反トラスト法」(独占禁止法)違反にあたるとして、メタを裁判所に提訴している。その裁判が4月12日にスタートしたが、ニューヨーク・タイムズなどは、ザッカーバーグ氏はこの問題を解決させるために「トランプ詣で」をしていると伝えた。

 ワシントンでの自宅購入に、リベラル派からは「どこまでこびを売れば気がすむのか」と批判の声が上がっている。

 一方、退任説がささやかれている政府効率化省の実質トップ、イーロン・マスク氏の後釜はザッカーバーグ氏ではないか、との噂が急浮上してきた。

(文=言問通)

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最終更新:2025/04/20 12:00